2021年9月20日(月)
病気だらけの人生 一日も早く…
被爆者手帳の相談会
広島「黒い雨」訴訟弁護団など
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広島の「黒い雨」訴訟弁護団などは、被爆者援護の対象外とされてきた人に向けて、被爆者健康手帳の申請などを助言する相談会を19日、広島市で開きました。事前に申し込みをした50人が訪れました。
相談会は2日間あり、18日は広島県安芸太田町、定員30人で行われました。10月中旬に県・市へそれぞれ集団申請する予定です。
広島への原爆投下直後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」により健康被害を受けた住民84人を被爆者と認めた7月の広島高裁の判決後、菅首相が「原告と同じような事情にあった人に、訴訟への参加・不参加にかかわらず、認定し救済できるよう、早急に対応を検討する」との談話を発表していました。
会場では2~4人ずつに分かれ、弁護団や、原爆「黒い雨」訴訟を支援する会、県被団協(佐久間邦彦理事長)、医療ソーシャルワーカーらが一人ひとりに書類の書き方などを助言しました。
弁護団の竹森雅泰事務局長は、首相談話以降、審査基準の改定など国が動かないことを批判し、「被爆者健康手帳の交付を待っている人がたくさんいるということを政府にわかってもらう必要がある」と強調。その上で、事前に受け付けた80人以外に、240人もの問い合わせがあったとし、「審査基準の改定の措置を待つことなく、申請を受け付ける体制を組んでほしい」と訴えました。
参加した女性(76)は「病気だらけの人生でした。年金暮らしだし医療費が今後払えるか不安。どうか一日も早く手帳を交付してほしい」と話しました。