2021年9月9日(木)
来年3月 核禁条約締約国会議
欧州議会4氏参加へ
議長「議員は決定的役割」
欧州連合(EU)の欧州議会の超党派4議員は7日、核兵器禁止条約第1回締約国会議に非公式の代表団としてオブザーバー参加すると発表しました。同会議で議長を務めるオーストリアのアレクサンダー・クメント大使(外務省軍縮局長)は4氏の参加を歓迎し、「議員らは核軍縮の前進へ決定的な役割を果たすことができる」とツイートしました。
同会議は来年3月にウィーンで開かれる予定。発表した4議員は、欧州緑の党・欧州自由連盟を代表してムニール・サトゥーリ氏(仏)、左翼グループを代表してエズレム・デミレル氏(独)、社会民主進歩同盟に所属するブランド・ベニフェイ氏(伊)、保守系の欧州人民党グループに所属するルーカス・マンドル氏(オーストリア)です。
4氏は同会議への参加について、「EUとその議会内に(核禁条約への)支持があることを浮き彫りにしている」と指摘し、EUのいくつかの加盟国が同条約に反対していることに遺憾を表明。核保有国が核戦力の強化を進めている現状にふれ、「(保有国が唱える)段階的アプローチの失敗と、断固たる行動の必要性を示している」と強調しました。
また4氏は、EU理事会に対し、締約国会議へのEU特使の派遣を求めました。EU加盟各国に対しては、締約国ないしオブザーバー国として会議への参加を求めました。
この問題をめぐってEU加盟国は、すでに核禁条約に署名・批准した国や核兵器を保有する国、米国の核兵器を国内に配備している国などさまざま。ただ欧州各国の世論調査では、禁止条約への署名・批准を支持する声が圧倒的多数を占めています。
国際NGOの連合体である核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)はツイッター上で、「(締約国会議に参加する)欧州議会代表団の初めての発表に感激している。協力を楽しみにしている!」と投稿しました。