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2021年8月28日(土)

英労組トップに女性次々

民間最大労組ユナイトでも

 英国で第2の組合員数を擁する労働組合ユナイトで25日、組合員投票の結果、初の女性書記長としてシャロン・グレアム氏(52)が選出されました。英国では、ナショナルセンターの労働組合会議(TUC)、最大労組ユニゾンのトップも女性で、労働運動での女性の役割がさらに高まると期待されています。

 ユナイトは、製造業、運輸、建設など幅広い産業が結集した民間最大の労組で、英国・アイルランドで120万人の組合員を有します。反緊縮の共闘などにも積極的に参加し、労働党の全国執行委員会にも2人の代表を送っています。

 当選したグレアム氏は、16歳でウエートレスとして働き始め、その1年後に職場で初めてのストを組織。最近はユナイトの組織部門を担当していました。当選を受け、グレアム氏は、「組合員と職場を第一に考えるという公約を実践していく。雇用を守り、賃金を引き上げ、権利を守るために全力をあげる。悪質な経営者は注意せよ。強力なユナイトは、組合員にとっての最大の防衛だ」と述べました。

 選挙は、コービン前労働党党首の強固な支持者として知られた左派のレン・マクラスキー書記長の後継としてスティーブ・ターナー副書記長と、労働党右派の支持を得た候補との争いと見られていましたが、それぞれ2位、3位に終わりました。第3の候補とみられていたグレアム氏の当選の背景には、女性組合員の支持などがあったと指摘されています。

 グレアム氏はメディアとのインタビューで、労働党に「白紙の小切手」は出さないと発言。同党と一定の距離を取り、ユナイトからの資金拠出にあたっては労働者の権利を増進させる政策を推進するよう求めていく姿勢を示しました。

 英国の労働運動ではこの間、男性優位、性差別的な体質があると批判が出ていました。昨年、都市一般労組(GMB)が委託した外部調査では、同労組の幹部が男性に独占されるなど「制度的に性差別的」、「いじめ、女性蔑視、身びいき、セクハラがまん延している」などと厳しい指摘を受け、根本的な改革を求める声が強まっていました。(伊藤寿庸)


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