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2021年8月25日(水)

きょうの潮流

 障害者スポーツの祭典パラリンピックは四つの価値を掲げています。勇気、強い意志、公平、人の心を揺さぶり駆りたてるインスピレーションです▼さまざまな困難をのりこえ、アスリートが体現する人間の可能性への挑戦。きらめく姿はオリンピックを上回るほどのまぶしさです。そこには人間賛歌や生命の輝きがあります▼しかしいま、大会の開催地ではコロナの感染爆発によって、たくさんの命と精気が失われています。感染者の増大に伴って重症者も増えつづけ、東京の入院患者は過去最多に。病床が足りず自宅療養を強いられる人たちが次々と亡くなり、命の選別が現実に始まっている日々です▼都内の在宅診療を追ったTBS「報道特集」。自宅療養中、危険な状態となった息子のもとに駆けつけた母親に医師がもらしていました。「生死の境にいるような人を家で治療しているときにふと(テレビを)見たら都知事が着物着て(五輪の)旗振ってて。がくぜんとした」▼療養という名の放置。医療崩壊がすすむ一方で世界中から何千という選手を招き、万単位の人が動員される祭典を開く。1日最大270人もの医師や看護師が割かれる。菅首相も小池都知事も感染抑止に全力を注ぐといいながら、救える命を救えないこの矛盾をなんとするつもりか▼パラリンピックがめざす共生とは一人ひとりの命が大切にされる社会です。それが守れなくなっているなかでの大会強行は、意義や理念に反することにならないか。命の公平な輝きを。


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