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2021年8月17日(火)

きょうの潮流

 空や雲を見て天気の変化を予想することを「観天望気(かんてんぼうき)」といいます。細かく分ければ100種類以上にもなる雲。それを知れば、急な変化も察知できると▼雲研究者の荒木健太郎さんが『すごすぎる天気の図鑑』で紹介しています。それによると、大気の状態が不安定なときに発達する積乱雲には、25メートルプールの1万杯程度の水が含まれているそうです。一般的な家庭のお風呂でいえば3千万杯にもなるほどの▼発達した積乱雲が次々に連なると、同じ場所で強い雨が降り続き、雨量が数百ミリにもなる集中豪雨に。このとき、線状にのびた雨域や雨雲のまとまりのことを線状降水帯と呼び、今回の大雨でもひんぱんに発生しています▼佐賀・嬉野(うれしの)市では降り始めからの雨量が1000ミリをこえ、わずか1週間足らずで年間降水量の半分近くに達しています。各地でも記録的な雨量となり、土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、今後も早め早めの安全確保が欠かせません▼1時間に100ミリの雨とは10センチの深さの水がたまる雨です。1メートル四方だと水の重さは100キロで、小柄な力士が空から落ちてくるイメージ。豪雨のときはそれが猛烈な勢いで落ちてくるので、とても危険な状況だと荒木さんはわかりやすく伝えます▼毎年のようにくり返す異常気象による災害。「これは人類にたいする警鐘」。国連の気候変動に関する政府間組織の最新報告書をうけたグテレス事務総長はこう訴えました。身近な空や雲、天気から地球の危機を。本気の対策が必要です。


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