2021年7月21日(水)
横田オスプレイ、湖占有
区域外で勝手に訓練 超低空飛行
青森・小川原湖
青森県の小川原(おがわら)湖(三沢市、東北町、六ケ所村)で、米空軍横田基地(東京都)所属のCV22オスプレイが湖面すれすれで救難訓練を繰り返し、地元住民・漁業関係者に不安を与えています。米軍は日米地位協定に基づき提供される「施設・区域」外で勝手に訓練し、地元への通告もなく、小川原湖の一部を不法占有していることが分かりました。
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小川原湖での救難訓練は、湖の中央付近で船から飛び込んだ兵士を、CV22がホバリング(空中停止)しながらロープでつり上げるというもの。爆音とともに水しぶきをたてるため、シジミ漁やワカサギ漁などに深刻な影響を与えます。訓練は漁業関係者の間で目撃が相次いでいましたが、日本共産党の市川俊光・東北町議が今年6月30日と今月1日に画像・動画を撮影し、波紋を広げました。
市川町議は「単なる飛行ではない。午後5時すぎから2時間にわたり湖を占有していた。突然、湖が訓練場になるという事態が起きている」と語ります。
さらに、米軍が昨年9月21日、小川原湖での救難訓練の動画を公開していたことも判明。防衛省東北防衛局も今年4月15日、6月30日、今月1日の実施を確認しています。
小川原湖の南東部には、三沢基地(三沢市)に属する米軍提供水域がわずかにありますが、目撃例はいずれも水域の外です。ところが東北防衛局は本紙の取材に「米軍から訓練場所を聞いてないので、提供水域の中か外か承知していない」と回答。責任回避の姿勢に終始しました。
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そこで本紙は市川町議が6月30日に、小川原湖・湖畔桟橋から撮影した画像をもとに、「低空飛行解析センター」の協力をえて解析。その結果、つり上げ訓練を行っていたCV22の位置は湖畔桟橋からほぼ真東約2140メートルで、提供区域から大きく外れていたことが分かりました。さらに、もう1機の高度は約41メートルと、水面から150メートル以上としている航空法の最低安全高度を下回っています。
小川原漁協の浜田正隆組合長は漁民の安全確保のためにも、「少なくとも、訓練前に事前協議をしてほしい」と憤ります。これに関して横田基地報道部は本紙の取材に、救難訓練の実施を認めた上で、「運用上・保安上の理由」から、訓練日程やルートの通告を拒みました。