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2021年7月15日(木)

最賃引き上げ最高額

“コロナ禍こそ”運動広げた成果

地方審でさらに

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(写真)中央最低賃金審議会の会場前で大幅引き上げ、地域間格差是正を求める全労連・国民春闘共闘の人たち=14日、東京都内

 今年の最低賃金改定の目安は、全国同額で時給28円、3・1%の引き上げとなり、目安制度発足いらい最高額となりました。

 全労連・国民春闘共闘などが、コロナ禍こそ国民生活を支えるエッセンシャルワーカーのために大幅引き上げをと訴え、世論と運動を広げた反映です。

 目安の小委員会報告は、最賃引き上げで「経済の好循環を実現させることや非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められている」と述べています。

 審議では、労働者側が75円の引き上げを主張。使用者側の一部は「現行水準を維持」を求め、公益委員の示した28円引き上げ案にも反対し、異例の採決となりました。

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 しかし、経団連の故・中西宏明前会長らが「地方の最低賃金のボトムアップ」を提案しており、使用者側でも引き上げ反対は半数にとどまりました。

 地域間格差についても、引き上げ額を全国同額とすることで拡大を許しませんでした。

 全労連・国民春闘共闘は、最低生計調査に取り組み、全国どこでも時給1500円以上が必要だと明らかにしました。大分県では最賃は最下位792円でも最低生計費(25歳男性)は1725円と過去最高額になったと発表しました。

 地域をランク分けする目安制度そのものを見直す審議も行われています。221円まで広がった地域間格差を解消するには、全国一律制度確立に踏み出すことが求められます。

 最賃引き上げの足かせとなっているのが、菅政権です。菅首相は「全国平均1000円」にとどまり、全国一律1500円を求める労働者の声に向き合っていません。中小企業にも十分な支援や補償を行わず、金融機関などに飲食店への取引停止を求める逆行ぶりです。労働者、中小企業を応援する政治への転換が必要です。

 今後、地方最賃審議会での審議が始まります。昨年は中央の目安額がないもとでも40県が1~3円引き上げ、地域間格差を2円縮小させました。大幅引き上げと格差是正のたたかいはこれからが正念場です。(田代正則)


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