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2021年7月6日(火)

主張

都議選の審判

「五輪は中止」の声受け止めよ

 東京都議選で日本共産党は現有18議席を確保し19議席に前進しました。引き続き野党第1党です。2013年、17年の躍進に続く大きな勝利です。大激戦のなか、ご支持、ご支援いただいたみなさんに心から感謝申し上げます。

 五輪中止を正面から掲げた共産党と「中止か延期」を主張した立憲民主党が前進したことは、このまま開催すべきでないという民意の強い表明です。菅義偉政権は都民の意思を重く受け止めるべきです。

共感集めた共産党の訴え

 自民党、公明党は、目標だった両党合わせて過半数の64議席に届きませんでした。17年の選挙で史上最低の議席に落ち込んだ自民党は、大幅な上積みを狙ったものの、過去2番目に少ない33議席にとどまりました。13年は自民党が42の全選挙区で議席を得ましたが、今回は15の区で空白となりました。定数4の品川区でも議席をとれませんでした。

 この結果をもたらしたのは、コロナ対策で無為無策を続け、感染を抑え込めていないにもかかわらず五輪開催に突き進む菅政権に対する都民の強い怒りです。

 共産党は五輪を中止し、コロナ収束にあらゆる力を集中すべきだと訴え、国民の命を守る論陣を張って都民の共感を集めました。読売新聞の出口調査では、五輪開催の方針について「評価しない」が51%です。そう答えた人たちの投票先で第1党は共産党でした。

 菅政権はワクチン接種で大きく立ち遅れ、中小業者に対する補償でも持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を拒むなど、背を向け続けています。世論調査では政府のコロナ対策を評価しないという声が多数を占めています。五輪中止をただちに決断し、コロナ対策に集中する政治に転換すべきです。

 自民党の事実上の敗北は、沖縄県での米軍新基地建設や日本学術会議の人事への介入など、菅内閣の強権体質に対する批判や、自民党の「政治とカネ」の問題も強く反映した結果です。4人の自民党国会議員が辞職しながら誰一人として有権者に説明せず、菅首相も解明に動かない姿勢は国民の怒りを買うばかりです。

 小池百合子都政のもとで進められる都立・公社病院の独立行政法人化、羽田空港の危険な新ルート、外環道建設、カジノ誘致に反対する共産党に期待が寄せられました。小池知事を支える都民ファーストの会は議席を減らし第2党に後退しました。

 「ケアに手厚い東京」「大企業のもうけ第一から福祉と暮らし第一の東京へ」などの共産党の公約は都民の切実な願いです。

この力を総選挙勝利に

 党派を超えた幅広い人たちの支持を得て文京区と日野市の二つの2人区で共産党は新たに議席を獲得しました。共産党と立憲民主党が行った候補者調整は重要な成果をあげました。共産党の候補者に一本化した5選挙区、立民などの候補者に一本化した7選挙区で勝利しました。野党の協力は相互に当選を積み増すことで、自民党を追い詰めました。

 都議選の成果を来たる総選挙につなげることが国政を変える大きな力となります。市民と野党の共闘を成功させ、政権交代、野党連合政権を実現しましょう。


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