2021年6月28日(月)
「五輪より命」共感広がる
反対の意思示したい 迷っているので聞きに来た
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「五輪をどう考えていいか、迷っているので聞きに来た」というIT企業に勤める青年、ネットで街頭宣伝があるのを知って聞きに来た人―。大激戦の東京都議選のラストサンデーとなった27日の日本共産党の街頭演説の聴衆に話を聞くと、「五輪中止で命を守れ」の訴えに共感が広がっていきました。
目黒区での志位和夫委員長、星見てい子候補の街頭演説で、少し離れた場所から、最後まで腕組みをしたまま聞いていた男性(50)に感想を聞くと、「いいですね。五輪は中止すべきだ。強行すれば、感染を日本だけでなく、世界に広げることになるのではないか。コロナ対策に集中すべきだ。共産党はぶれないからいい」と話しました。
同じく、遠巻きで演説を聞いていた女性は、演説前に声をかけたときは「五輪はもうやると決まったんでしょ」と一言だったのですが、演説が終わると「命のことだし、やっぱり心配。やめたほうがいいね」と記者に声をかけてきました。
演説カー前のベンチで盛んに拍手を送っていた弁護士の男性は「都議選の争点は五輪。共産党がいち早く中止を掲げて、メディアもついてきた感じがする。最後まで中止を掲げることが大事だ。そして都議選に勝たなくては」と話しました。
北区で、小池晃書記局長と、そねはじめ候補の訴えを聞いていた自営業の男性(70)は「五輪は反対しても開催されるのではという思いもあるが、そねさんの得票が伸びることは、都民が五輪反対の意思を示すこと。五輪中止の声が通ることが大切だと思う」と語りました。
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五輪中止 その通り
共産党勝利で都政変えて
目黒区の自由が丘駅前で、笑顔で盛んに拍手をしていた看護師(45)は、コロナ対応で疲弊している医療機関に、さらなる負担をかける五輪開催を批判。ワクチン接種がまだ途上な上に、接種しても免疫効果が出るのは秋以降になることに不安を感じています。
「このまま五輪を開催すれば日本に感染が拡大するだけでなく、世界に感染を拡大させることになる。今、やることは五輪ではない。医療をしっかり守る政治の実現です」と話しました。
子どもとパートナーと聞きにきた北区在住の女性(36)は「北区は子どもの五輪観戦動員がまだ中止されていない。子どもの運動会とか、読み聞かせ教室とか小さなイベントは中止になっているのにおかしい。大切な子どもたちを感染の危険にさらすなんて許せない」と憤ります。
“バブル”はじけた
五輪関係者に入国前後の検査など感染対策を徹底し、泡(バブル)で包むようにして外界との接触を遮断し隔絶し、感染を防ぐという“バブル方式”―。来日中のウガンダ選手団2人の感染が確認され、待遇に当たったバスの運転手らが濃厚接触者に認定されています。
目黒区の自由が丘駅前で、共産党のビラを懸命に配っていた男性(68)は「バブル、もうはじけて、破綻しているよね。それに五輪は選手と観客が一体となってこそ意義がある。アスリートにとっても複雑な五輪となる。感染もぶり返しているし、今、中止すべきだ」と力を込めました。
目黒区で演説を聞いた女性は「ウガンダ選手団に感染者が出たけど、このまま何もしなければ、ああいう事例はこれからも出てくる」と心配します。
9日の力の入った志位委員長の党首討論を見て、生の声を聞きたいとジョギングがてらに来たという40代の会社員は「最初は五輪を見たいと思っていたけど、コロナが広がり死者も出ているのに。中止が妥当だ。それに国によって感染防止の進み具合が違い、練習量の差も出てフェアな大会にならないよね」とし、「誰のための大会なのと思うけど、ほんと菅首相は答えないよね」とあきれ顔。
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特別扱いおかしい
スポンサーのための五輪なのかという声も多く聞かれました。
パートで働く女性(76)は「飲食店には『酒を出すな』と言いながら、五輪で酒を出すという話が出たでしょ。五輪だけ特別扱いなんてどうしても、おかしいよね。共産党が増えると都政が劇的に変化するから、何としても都議選で勝ってほしい」と思いを語りました。