2021年6月10日(木)
2019年度決算など 岩渕氏の反対討論
参院本会議
日本共産党の岩渕友議員が9日の参院本会議で行った2019年度決算などへの反対討論(要旨)は次の通り。
反対する第一の理由は、消費税10%への増税によって、国民に5・7兆円もの負担増を押し付け、社会保障の切り捨てを行ったものだからです。
増税はコロナ禍のもと、国民の命と暮らしを脅かし、営業への深刻な打撃となっています。世界では58もの国、地域が消費税、付加価値税の減税に踏みだす一方、菅政権は一貫して消費税減税を拒否してきました。日本共産党は、消費税5%への減税を提案していますが、消費税率引き下げを決断することが、冷え込んだ家計をあたため、苦境に立たされる中小企業・小規模事業者の営業を守ることになります。大企業や富裕層に、能力に応じた負担を求める動きは世界の流れです。
第二の理由は、安倍前政権のもと、新防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を策定して「戦争する国づくり」を進めてきたからです。19年度の軍事費は、5兆6000億円となり5年連続で過去最高を更新しました。安倍前政権は、トランプ前米大統領の求めに応じて米国の有償軍事援助、FMSによりF35戦闘機などの高額な米国製武器の爆買いを進めてきましたが、予算に計上されたイージス・アショアが断念に追い込まれたことは、その矛盾と危険をあらわにしました。民意に背き、莫大(ばくだい)なコストと期間がかかる辺野古新基地建設も直ちに中止すべきです。
第三の理由は、コロナ対策に財政を集中すべきときに、技術面、安全面、環境面で問題が指摘されているリニア中央新幹線の建設など、新規大型開発を進めているからです。
原発再稼働や破綻した核燃サイクルの推進も大問題です。菅首相は2050年カーボンニュートラルを宣言していますが、脱炭素を口実に原発を強力に進め、高効率を理由として石炭火力にしがみつくことは、世界の脱炭素を主導するどころか温室効果ガス1・5度抑制の達成に努力する世界の足を引っ張るものです。原発ゼロを決断し、省エネ、再エネ中心のエネルギー政策へ転換すべきです。
桜を見る会や森友・加計問題で浮き彫りになった政治の私物化とモラルの崩壊は、河井克行元法相と河井案里元参院議員の大規模買収事件、吉川貴盛元農林水産相による鶏卵汚職事件、菅原一秀元経済産業相の公選法違反事件など、安倍・菅政権のもとで相次ぐ「政治とカネ」の問題、東北新社やNTTによる総務省への接待で行政がゆがめられた問題などの大もとにも関わる重大な問題です。疑惑の真相解明を徹底的に行うことを求めます。