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2021年6月9日(水)

米軍に抗議で家宅捜索 土地規制法案の“見本”

廃棄物告発の研究者

沖縄・北部訓練場

写真

(写真)宮城さんが米軍北部訓練場跡地で発見した空薬きょう。一部は火薬入りで、沖縄県警にも届け出ているが、回収されないため、その場に放置している(沖縄県国頭村)

 米軍北部訓練場(沖縄県国頭村、東村)のメインゲートで抗議行動を行い、米兵らの通行を妨害したとして、沖縄県警が4日、威力業務妨害の疑いでチョウ類研究者の宮城秋乃さんの自宅を家宅捜索したことが分かりました。宮城さんは4日から8日にかけて4回取り調べを受けました。

 宮城さんによると、4日午前、県警の捜査員ら約10人が宮城さんの東村の自宅内などを約1時間半かけて捜索。パソコンやタブレット端末、ビデオカメラなどを押収し、車や書籍類などを撮影しました。

 宮城さんはこれまで、北部訓練場返還跡地に放置された米軍の廃棄物や、米軍ヘリの訓練の実態などを告発。4月7日には、同訓練場ゲート前にある基地との境界線内側に米軍の物と思われる廃棄物を置いて抗議し、その際、複数台の車が約50分間通行できない状態になりました。宮城さんによると、この件で捜索を受けたとの説明があったといいます。その後、威力業務妨害、道路交通法違反、廃棄物処理法違反の疑いで取り調べを受けました。

 宮城さんはこれまで、返還地で火薬入りの弾薬を発見するたびに県警に通報してきましたが、回収されませんでした。「それにもかかわらず、廃棄物について訴えたことに対し、家宅捜査までするのはおかしい」と、本紙の取材に述べました。

 宮城さんは「奄美・沖縄の世界自然遺産登録が目前になる中、動物たちが米軍から受けている廃棄物や騒音の被害を政府は明るみに出したくないのだろう」と指摘。基地の周辺で「阻害行為」のおそれがないか住民を監視する土地利用規制法案の「典型的な見本だと思う」と警戒を強めます。

 今後、罰金などが科せられた場合、「徹底的にたたかう」としています。


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