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2021年6月1日(火)

きょうの潮流

 コロナ禍で家にいる時間は増えたのに、テレビを見る時間は減っている。そんな実態が先ごろ公表されたNHK放送文化研究所の国民生活時間調査から浮かび上がりました▼とくに若者のテレビ離れは加速し、およそ半数がほぼ見ていないという結果に。逆にインターネットの時間は長くなっています。それぞれがスマホ片手に、それぞれの時間を過ごす。もはや一家でテレビを囲む光景は無きに等しい▼きょうは、電波の日。70年前、電波についての知識を国民に普及させようと設けられた記念日がきっかけに。1950年施行の放送法は「公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」ことを目的に掲げています▼長くお茶の間の主役だったテレビですが、近年はおもしろくない、つまらなくなったといった意見をよく耳にします。若者から見放されるのも興味や関心に合った番組が少ないことが背景にあるのでしょう▼「どこのチャンネルでもやっている井戸端会議のようなワイドショーやバラエティーで各局が消耗戦をしていては、テレビの未来はない」。番組や映画にもなった「さよならテレビ」を手がけた東海テレビの阿武野勝彦さんは近く出版される同名の著書で呼びかけています▼放送法は何びとからも干渉・規律されず、政治的公平や事実を曲げずに伝えることも定めています。限られた「資源」であり、共有財産である電波。国民は何を求めているのか。探りつづけ、努力する姿にテレビの未来が映るはずです。


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