しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年4月30日(金)

五輪「中止・延期を」7割

本紙シールアンケート 東京・渋谷

 新型コロナウイルス感染拡大のもとで、政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に3度目の緊急事態宣言を出しました。変異株の感染も広がり、大都市圏は医療崩壊の危機に直面しています。それでも東京都と政府は五輪開催の方針を変えていません。五輪を「中止・延期」すべきか、「今年開催」すべきか? 東京・渋谷駅前で聞きました。(五輪問題取材班)


写真

(写真)シールアンケートに答える若者=27日、東京・渋谷駅ハチ公前

感染拡大不安 素直に応援できない

コロナ対策 おろそかになっている

 渋谷駅前のスクランブル交差点。行きかう人は途切れません。

 「中止は当たり前。政府は五輪を利用して支持率を上げたいだけだ」。忠犬ハチ公像の近くのベンチにいた50代の男性は怒りをあらわにしました。「新型コロナで国民に自粛を押し付けておいて、五輪だけは応援しろというのはおかしい」といい、感染対策には十分な補償が必要だと述べました。

 「感染が拡大してしまうと思うので、開催したとしても素直に応援できない」というのは東京都板橋区在住で、福祉関係の仕事をしている女性(24)。「取引先が施設です。自分を介して感染が広がらないよう最低限しか外出しないようにしている。終わりが見えず、しんどい」と思いを語りました。

 さいたま市からきた大学3年の女性は「東京五輪のために感染対策がおろそかになっていると思う」と語り、こう指摘します。「いろんな人が被害を受けているのに、五輪だけやろうとするのはおかしい。やるなら平常な社会が戻ってからにしてほしい」

 本紙は、新型コロナウイルス感染拡大のもと「どうする五輪」というテーマでシールアンケートを行いました。1時間で75人が回答。結果は54人(72%)が「中止・延期する」、20人(27%)が「今年やる」、1人が「中立」でした。

「感染拡大は見えてる」

外国人「客・選手、危険」

図

 東京・渋谷駅前で行った「どうする五輪」シールアンケートでは、さまざまな声が寄せられました。

 中止・延期にシールを貼った男性は「このまま開催すれば感染が拡大するのは目に見えているし、開催にかけた金額以上の損害が出てしまうと思う。オリンピックは次があるのだから、それを待つべきだ」といいます。

 横浜市から来た、りこさんも「(原発事故が起きた)福島や新型コロナなど使うべきところにお金を使ってほしい。国民のことを考えてほしい」と話しました。

 東京都八王子市から来た男子学生(18)は「高校までテニスをしていたのでスポーツ選手の気持ちはわかりますが、選手一人ひとりの我慢で多くの命が助かるなら、その方が良い」と話します。

 東京都新宿区に住む不動産業の男性(26)は「飲食店が営業できず苦しい思いをしている中でスポーツイベントをやるのは違う。小池百合子知事の発言は一貫性がない」と批判します。

 米国人も中止にシールを貼りました。「オリンピックで外国人が増えて感染し、観光客も選手もみんな感染の危険がでてくる。マスクをしているけど、完全には予防できない」

 「今年やる」と答えた人たちも、複雑な思いを抱えています。

 東京都荒川区からきた大学2年生(19)は「母校の吹奏楽部が聖火リレーの最終地点で演奏するから希望としては開催してほしい」といいます。しかし、「新型コロナ流行で大学は昨年来オンライン授業が中心で対面授業は10回ほど。最近やっと友達ができた」と苦境を語り、政府のコロナ対策については「その場しのぎで具体策がない」と批判します。

 「中立」と答えたパフォーマーの男性は「五輪を開催すれば国民に元気が出ると思う。しかし感染が拡大する危険性も否めないし、開催によって、海外でも感染者が増えることになれば日本のイメージは悪くなると思う」と話します。持続化給付金は足りないといい「さらなる給付金の支給や医療体制の拡充が必要だ」と訴えました。


pageup