2021年4月26日(月)
核兵器禁止条約 核保有国・同盟国でどう運動
欧米の議員・NGO活動家ら議論
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【ワシントン=島田峰隆】核兵器保有国や米国の「核の傘」のもとにある国々の議会で核兵器禁止条約への支持をどう広げるかについて議論する会合が24日、オンラインで開かれました。欧米の国会議員や非政府組織(NGO)の活動家らが、議会の状況や取り組みを紹介しました。
米平和団体「マサチューセッツ・ピースアクション」や国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)などが主催。世界各地から200人以上が参加しました。
米連邦下院のラシダ・トライブ議員は、「核兵器がいかに破滅的か私たちは広島と長崎で目にした」と強調。核兵器の開発、生産、維持にかかる巨額の予算は医療や教育などに回すべきだとし、「同僚議員には私と同様に禁止条約を支持するよう呼び掛けたい」と述べました。
ジェイミー・ラスキン下院議員は、新型コロナウイルスや気候変動の危機があるなか「誰も勝利できず破滅につながる核軍拡競争に資源を無駄遣いするのをやめるときだ」と指摘しました。エレノア・ノートン下院議員は、議会に毎回提出している核兵器廃絶法案で条約への参加を求めていると報告。バーバラ・リー下院議員は会合にメッセージを寄せました。
ベルギー与党のビッキー・レイナート下院議員(オランダ語圏社会党)は、国民の77%が核兵器の禁止に賛成だと指摘。昨年10月発足の新政権が、禁止条約が核軍縮にどう新たな弾みをつけられるのか「探求していく」と宣言したことに触れ、「それなら少なくともオブザーバー国として参加するべきだ」と述べました。
英スコットランド議会のジョン・フィニー議員は、住民と議会の大多数は核兵器に反対だと指摘しました。
禁止条約は、非締約国であっても締約国会議や検討会議にオブザーバーとして参加できると規定しています。会合では、地方議会などでも市民の圧力で条約の賛同議員を増やしていく重要性などが議論されました。