日本共産党の志位和夫委員長が7日の「総選挙躍進オンライン全党決起集会」で行った幹部会報告は次のとおりです。
親愛な全国の同志のみなさん。こんにちは。
新型コロナ危機という困難な条件のもとで大奮闘されている全国の同志のみなさんに対して、心からの敬意と連帯のメッセージを送ります。
昨日、6日、幹部会を開催し、総選挙にむけた党活動の到達点を検討し、今後の方針について新しい決定を行いました。私は、それを踏まえ、幹部会を代表して報告を行います。
一、「総選挙躍進特別期間」の到達点をどうとらえるか
さまざまな前進――対話活動の開始、オンライン演説会の成功
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冒頭、第2回中央委員会総会が提起した「総選挙躍進特別期間」の到達点をどうとらえるかについて、報告します。
私が、まず強調したいのは、2中総以降の3カ月半、全党の努力によって、さまざまな前進をかちとってきているということです。
その一つは、「1千万対話」が開始されたことです。「対話アンケート&リーフ」も活用し、「コロナでお困りごとはありませんか」と国民の中に足を運びますと、どこでも「よく来てくれた」と対話がはずみ、わが党への期待が語られ、党が明るく元気になることが全国から報告されています。こうした経験が広がり、目標には距離を残していますが、毎週テンポをあげ、対話数で200万を超えたことは、これまでの総選挙に向けた活動にはなかった貴重な前進であります。この流れをさらに大きく発展させようではありませんか。
いま一つは、オンライン演説会であります。この間、北海道、中国、近畿、四国、九州・沖縄の五つの比例ブロックで、オンライン演説会が開催され、同時視聴者数は合計4万1千人、視聴箇所1万6000カ所、とりくみ支部は86%にのぼり、画期的成功をおさめています。とくに「比例を軸に」、ブロックの一体感をつくりだしていること、「支部が主役」の選挙戦にとりくむ大きな土台を築いていること、そして、結びつきを広げ、積極的支持者を増やし、党勢拡大の条件を広げていることは重要であります。まさに“一石三鳥”のとりくみです。コロナ危機のもとでの新しい選挙活動として、今後も大いに発展させようではありませんか。
党勢の後退――総選挙勝利にとっても、党の未来を展望しても、その打開は急務に
他方、党勢拡大では、困難な条件のもとでの奮闘が全国各地で行われていますが、「特別期間」に入って連続的な後退が続くという事態となっています。
党員拡大は、12月~3月の入党働きかけが6398人、入党決意者は1092人であります。入党働きかけの規模は、1月に急ブレーキがかかったのち、2月、3月と広がりつつありますが、現勢での後退が続いています。こうしたなかでも、コロナ危機のもと社会変革の道を選択した新しい同志が、1000人を超えたことはたいへんに貴重であり、私は、新しい同志のみなさん一人ひとりに、中央委員会を代表して、心からの歓迎のあいさつを送ります。(拍手)
「しんぶん赤旗」の読者拡大は、12月~3月の通算で、日刊紙で3506人の減少、日曜版で1万7001人の減少、電子版で267人の増加となりました。この間、全党の奮闘によって、日刊紙・日曜版であわせて約8万の新たな読者を増やしていますが、残念ながら読者の減少を上回ることができず後退が続いています。
党勢拡大は、わが党の活動のなかで最も立ち遅れた分野となっており、現状の打開は、総選挙勝利にとっても、党の未来を展望しても、文字通り急務となっています。
コロナ危機のもとでも前進できる党活動をいかにしてつくるか
それではなぜ党勢拡大で前進がつくりだせていないのでしょうか。この集会に向けて、都道府県委員長のみなさんに活動実態のアンケートを寄せていただきました。中央として、県、地区、支部の実情について直接の聞き取り調査も行いました。
その原因はさまざまですが、コロナ危機の深刻化が重大なブレーキとなったことが共通して報告されています。私たちは、昨年12月の2中総の直後に、感染拡大の「第3波」にぶつかりました。そのもとで、とくに、支部会議、各級党会議をはじめ党機関の会議、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」といった党活動推進の中軸が弱まるという事態が生まれています。「新春の集い」などの多くも中止せざるを得なくなっています。これらのことが、党の活力と連帯にとっての大きな障害となっています。
同時に、私たちは、「コロナだから仕方ない」という立場に立つわけには決していきません。菅政権の無為無策によって、いま、感染拡大の「第4波」が始まっています。わが党は、早期収束のための具体的提案を政府に提起していますが、菅政権の対応能力の欠如ともあいまって、コロナとのたたかいはかなりの長丁場を覚悟しなければなりません。
わが党は、感染拡大のもとでの解散・総選挙は行うべきではないと表明していますが、衆議院議員の任期満了が迫っており、総選挙はコロナ感染が続くもとでのたたかいになる可能性が少なくありません。
こういう状況を正面からとらえ、コロナから国民と党員の命を守りつつ、コロナ危機のもとでも前進できる党活動を、いかにしてつくるか。これは、新しい探究の課題であります。全党のすぐれた経験に学び、全党の知恵と力を集め、本腰を入れてこの課題にとりくみ、総選挙躍進にむけた党活動の着実な前進をつくりだすことを、私は、心から呼びかけたいと思うのであります。(拍手)
二、激動の情勢のもとでの日本共産党の値打ち
次に、激動の情勢のもとでの日本共産党の値打ちについて報告します。
新型コロナ危機は、党活動の前進にとっての障害となっていますが、政治的には、私たちにとって、前進の障害があるわけではありません。反対に、内外の情勢に広く目を向ければ、日本共産党の値打ちがきわだつ情勢が進展しています。報告では、3点ほどのべたいと思います。
コロナ対応における先駆的役割――大規模検査の提唱、「新自由主義」とのたたかい
第一は、コロナ対応における先駆的役割です。
日本共産党の科学的主張が、ついに政府を動かしつつある
その一つは、PCR検査の抜本的拡大によって無症状者も含む感染者を把握・保護して、感染の封じ込めをという、日本共産党が一貫して求め続けてきた科学的主張が、ついに政府を動かしつつあるということであります。
人口比のPCR検査が世界145位という事実が示すように、政府は、この1年間、検査によって感染を抑え込むという当たり前の対策に、後ろ向きの姿勢を取り続けてきました。厚生労働省は、昨年5月、「検査を拡大すると医療崩壊が起こる」という内部文書までつくって検査拡大を妨害してきました。その責任はきわめて重大であります。
しかし、わが党の繰り返しの提起、各地の自治体の先駆的とりくみ、そして、自らの対策の行き詰まりに直面して、ついに政府も、高齢者施設の職員などにたいする「定期的検査」、無症状者に焦点をあてた「幅広いPCR検査」などを言わざるを得なくなってきました。
そこで、わが党は、3月12日、緊急要請「コロナ封じ込めのための大規模検査を」を発表し、菅首相に対して、高齢者施設などへの「頻回・定期的」な検査、「1日10万の桁」での大規模なモニタリング検査、変異株に対する徹底検査を求めました。わが党の提起に対して、菅首相は「方向性はほぼ一緒、ただ量が違う」と答弁しました。
「方向性が一緒」というのは、わが党の提起が正論であり必要であることを認めざるをえなくなったということです。同時に「量が違う」という発言は、政府が本気でとりくむ意思をまだもっていないことを示すものであります。ならば、ここは政府の尻をたたこうではありませんか。「検査を増やすというなら、本気でとりくめ」と迫っていこうではありませんか。
全国のみなさん。この1年間のわが党の論戦と運動が、政府を包囲し、動かしてきたことに深い確信をもちつつ、「コロナ封じ込めのための大規模検査を」という大運動を全国の草の根から起こし、国民の命を守り抜こうではありませんか。(拍手)
「新自由主義」の暴走と正面から対決、暮らし、営業、社会保障を守る
いま一つは、日本共産党が、「自己責任」を押し付ける「新自由主義」の路線と正面から対決し、暮らし、営業、社会保障を守るためにたたかい抜いていることであります。
わが党は、「自粛と一体に補償を」と求め続け、国民と共同したたたかいで、雇用調整助成金のコロナ特例を実現し、さまざまな直接給付の制度を実現してきました。少人数学級で一歩前進をかちとったことも、重要な成果であります。
ところが、コロナ危機から1年が経過した今、菅政権が、さまざまな支援の措置を打ち切るとともに、「新自由主義」の暴走を再開している。これは、きわめて重大であります。
菅政権は、感染拡大の真っただ中に、中小企業の「命綱」だった持続化給付金と家賃支援給付金を、一回かぎりで打ち切りました。その背景には、「中小企業は半分に減らしてもいい」と放言する成長戦略会議メンバー、デービッド・アトキンソン氏に象徴されるような、コロナ危機に乗じて中小企業を淘汰(とうた)してしまえという冷酷な「新自由主義」の路線があります。全国のみなさん。コロナという惨事に便乗する“惨事便乗型の中小企業淘汰論”を絶対に許さず、持続化給付金の第2弾など直接支援の拡充をかちとるために、全力をあげて奮闘しようではありませんか。(拍手)
菅政権が、医療破壊の2法案――「高齢者医療費2倍化法案」「病床削減推進法案」を国会に提出し、強行しようとしていることも、断じて許すわけにいきません。高齢者の多くがコロナの危険にさらされているさなかに、受診控えに追い打ちをかける医療費2倍化とはいったいどういうことか。医療機関に対して、コロナ受け入れ病床の確保を求めながら、消費税増税分を財源とした給付金制度までつくって病床削減を進めるとはいったいどういうことか。こんな二重三重に間違った政治はありません。全国のみなさん。医療破壊の2法案を廃案に追い込み、医療に手厚い日本をつくるために、頑張りぬこうではありませんか。(拍手)
コロナのもとでの「新自由主義」の暴走の根本には、財界・大企業中心という自民党政治のゆがみがあります。このゆがみを根本から正す民主的改革を綱領に掲げる、日本共産党の値打ちが光っており、頑張りどころの情勢であることを、私は、強く訴えたいと思うのであります。
菅政権を倒し、新しい日本をつくるうえでの、かけがえない役割
第二は、市民と野党の共闘の力で、菅政権を倒し、新しい日本をつくるうえで、日本共産党がかけがえのない役割を担っているということであります。
菅政権を倒し、新しい政治をつくることは、野党に課せられた重大な責任
菅政権が発足して半年が経過しました。違憲・違法の日本学術会議への人事介入にあらわれた強権政治、コロナ対応の無為無策に象徴される政権担当能力の欠如、総務省などの接待問題や河井夫妻の買収事件などにあらわれた底知れないモラル崩壊など、菅政権に日本の政治を担う資格がないことは、半年間の事実を通じてすでに明らかであります。
この政権を倒し、新しい政治をつくることは、私たち野党に課せられた重大な責任であります。全国のみなさん。来たるべき総選挙で、菅政権に退場の審判を下し、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、新しい政権――野党連合政権をつくるために全力をあげようではありませんか(拍手)。2中総で提唱した「新しい日本をつくる五つの提案」を大いに訴え抜き、この方向が野党間でも共有されるように、力をつくそうではありませんか。
市民と野党の共闘の現状と展望――わが党の基本姿勢について
ここで市民と野党の共闘の現状と展望について、報告しておきたいと思います。
わが党は、この間、総選挙での政権奪取と新しい政権の実現という方向が、野党の共通の決意となるように、最大限の努力を重ねてきています。政権協力がどうなるかは、相手のあることであり、予断をもって言うことはできません。報告では、共闘にのぞむわが党の基本姿勢について2点ほど表明しておきたいと思います。
一つは、そもそもわが党が、共闘の道に踏み出した「一丁目一番地」は、安保法制廃止と立憲主義回復にあるということであります。ここで日本の政治が土台から壊されている、それを立て直すために緊急に力を合わせよう、これが2015年9月のわが党の提唱でした。この「一丁目一番地」での政策的一致は、主要野党間では揺らいでいません。この土台が揺らがない限り、わが党は、菅政権の打倒、政権交代という大局に立ち、共闘の成功のために、あらゆる力をつくす決意であります。
一部に、野党間の「政策の違い」を針小棒大に描く報道があります。気にする必要はありません。個々の政策については、政党が違う以上、異なって当たり前であり、一致点を大切にして協力する、これが共闘であり、わが党の立場であります。わが党は、「新しい日本をつくる五つの提案」の方向が野党間でも共有されるように、最大限の一致を追求しますが、一致しない課題については、「日本共産党躍進で実現しよう」と大いに訴えていきます。
二つ目に、共闘への姿勢として、「互いにリスペクトする」という姿勢が何よりも大切だということを強調したいと思います。先日の四国ブロックのオンライン演説会に寄せたメッセージで、立憲民主党の小川淳也衆議院議員は、「大事なことは互いにリスペクトすることだ」と強調し、来年、日本共産党が党創立100周年を迎えることに言及して、こう語りました。「日本で最も歴史と伝統のある政党、私が最大のリスペクトをするのは、(戦前に)どの政党も、メディアも、みんなで戦争を推し進めた時に、あの弾圧に耐えて、反戦を訴え続けた唯一の政党、このことに大変なリスペクトを感じています」。うれしいメッセージではないでしょうか。
共闘を進めるうえで、政策的一致のさらに土台の問題として重要なのは、「互いに力をあわせてたたかおう」という共闘の意思であります。違いを認め合い、相互に尊重しあい、リスペクトして、ともにたたかおうという姿勢であります。それがあってこそ、政党間の協力、連携、共闘は成り立ちます。わが党は、そうした精神に立って、共闘の成功のために、どんな困難があってもそれを乗り越えて、粘り強く力をつくす決意を表明したいと思います。(拍手)
共闘の前途を展望しても、4月25日投票の三つの国政補欠選挙・再選挙で、筋の通る形で野党統一候補が実現したことは重要な前進です。日本共産党として、その勝利のためにあらゆる力をつくす決意を申し上げたいと思います。(拍手)
「日本共産党の躍進こそ政治を変える一番の力」――揺るがず訴えぬこう
共闘に関しては、絶対に「様子見」「共闘頼み」に陥らず、2中総で確認したように、「わき目もふらず比例での党躍進のための活動に力を集中する」、このことを重ねて訴えたいと思います。日本共産党躍進の政治的・組織的勢いをつくりだし、それが与党陣営にも、他の野党にもびんびんと伝わるような状況をつくりだしてこそ、共闘の成功への道は開かれます。全国のみなさん。「日本共産党の躍進こそ政治を変える一番の力」――ここに思いを定めて揺るがず訴えぬこうではありませんか。(拍手)
改定綱領――激動の情勢のもとで大きな生命力を発揮
第三に強調したいのは、改定綱領が、激動の情勢のもとで大きな生命力を発揮しているということであります。
ジェンダー平等を求める巨大な変化のうねり――綱領一部改定の大きな意義
この間、ジェンダー平等を求める日本社会の底深い、巨大な変化のうねりが起こっています。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会前会長・森喜朗元首相の女性蔑視発言に、広く深い批判が沸き起こり、20代の女性3人が発起人となったオンライン署名は、瞬く間に15万7千筆が集まり、森氏は会長辞任に追い込まれました。多くの女性が、自らの体験と重ね合わせて、社会の中で女性の発言が抑えられ、決定に女性の意見が反映されない状況を変えようと声をあげました。
3月17日、札幌地裁で、同性婚を認めないのは憲法違反という画期的な判決が下されました。弁護団からも「2年前に提訴した時、こんな素晴らしい判決、予想もしていなかった」との声があがりました。ここにも日本社会の深く急速な変化が反映しています。
コロナ危機のもと、非正規で働く多くの女性が、職や収入を失って困窮状態に陥り、雇用におけるジェンダー平等の実現が、日本社会の重要な課題であることが、広く共通の認識になりつつあります。
みなさん。こうした日本社会で起こっている巨大な変化のうねりは、改定綱領に、「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」と明記したことの意義がどんなに大きかったかを、強く実感させるものではないでしょうか。
中国に対する綱領上の規定の見直し――いま中国にどう向き合うか
中国に対する綱領上の規定の見直しがどんなに重要だったかは、今年に入っての中国自身の行動によっても証明されています。
中国は、2月1日、海警法を施行しましたが、これは中国周辺のきわめて広い海域を「管轄海域」と一括し、強制措置などの幅広い権限を与えたものであり、国連海洋法条約など国際法に違反し、覇権主義的行動を法制的にもエスカレートさせるものです。また、中国政府による香港に対する人権抑圧の一層の強化とともに、新疆ウイグルにおける人権抑圧が重大な国際問題となっています。改定綱領は、こうした中国の覇権主義・人権侵害に対応するうえで、確固たる理論的立脚点となっています。
報告では、この問題に関わって、いくつかの点を強調しておきたいと思います。
一つは、中国の問題点に対応するうえで、何よりも大切なのは、国際法に基づく批判であり、「国連憲章と国際法を順守せよ」と中国に迫っていく国際世論による外交的包囲であるということです。実はこの点が、国際的にも全体として弱いもとで、私たち日本共産党が果たすべき国際的役割は、大きいものがあります。
二つは、中国の行動に対して、軍事的対応の強化でこたえることは、軍事対軍事の危険な悪循環をもたらすものであり、厳しく退けられるべきであるということです。日本政府も米国政府も、中国の問題点に対する国際法に基づく冷静な批判を欠いたまま、軍事的強化で対応しようとしていますが、わが党はこうした動きに強く反対します。
三つは、改定綱領に明記した通り、どんな国であれ覇権主義を許さない立場が大切であるということです。いま、米中が「覇権争い」を繰り広げるもとで、どちらの覇権も許さない――この立場を日本の外交政策に位置づけることは、いよいよ急務となっています。
私は、この間、『文芸春秋』(5月号)のインタビューに応じ、中国に関するわが党の見解をまとまって話す機会がありました。参考にしていただければと思います。
「資本主義か、社会主義か」――「体制論」が若者のなかでもホットな話題に
新型コロナ・パンデミックのもとで、格差拡大、環境破壊など、資本主義の矛盾が噴き出し、「資本主義か、社会主義か」という「体制論」が、若者のなかでもホットな話題になる新しい状況が広がっています。
私は、先日、通信制の私立高校「N高等学校」の「政治部」で特別講義をする機会がありました。高校生の質問に回答する形で講義を行いましたが、そこでも「資本主義への疑問点を幸福度の観点から聞きたい」、「日本共産党は本当に共産主義を目指しているのか」など、「体制」を正面から問う質問が次々と寄せられました。
私は、高校生のみなさんに、改定綱領の内容をお話ししましたが、講義が終わった後のアンケートで75%が「良かった」との感想を寄せてくれたことが印象的でした。「共産主義の魅力が伝わってきた」などの感想が寄せられたことはうれしいことでした。その内容は、パンフレット『高校生に語る日本共産党』にまとめましたので、活用していただければと思います。
党綱領の未来社会論をより豊かに発展させた改定綱領の内容は、若い方々の心にも響き、共感をもって受け入れてもらえると、自信をもって言っていいのではないでしょうか。全国のみなさん。改定綱領を大いに学び、私たちのめざす社会主義・共産主義の展望を広く国民に語っていこうではありませんか。(拍手)
三、コロナ危機のもとでも前進できる党活動をつくりだし、党勢拡大で前進に転じよう
「総選挙躍進特別期間」を5月末まで延長し、二つの目標に挑戦する
次に、総選挙躍進にむけて、党活動をどのように発展させるかについて、報告します。
まず当面の目標ですが、幹部会として、「総選挙躍進特別期間」を5月末まで延長して、4月と5月で、次の二つの目標を必ず達成することを提起したいと思います。
第一は、「特別期間」の「四つの課題」を推進しつつ、最も遅れている党勢拡大に思い切って力を集中し、必ず前進へと転じることであります。党員拡大では、5月末までに2万人に働きかけ、現勢で前進の軌道にのせる。読者拡大では、12月以降の後退分――日刊紙3506人、日曜版1万7001人――を取り戻し、さらに前進する。このことを党建設の量的な目標としたいと思います。
第二は、総選挙を展望し、コロナ危機のもとでも前進できる党活動を知恵と力を集めてつくりだすことであります。とくに感染対策をきちんとやりながら、この間、弱まっている支部会議、党機関の会議をしっかり開き、支部主催の「集い」を工夫して開くことを軸にすえて、党勢拡大を前進の軌道にのせる。こうした党づくりを行うことを、党建設の質的な目標としたいと思います。
すべての課題において、世代的継承の目標と計画をもち、自覚的に推進します。
以上が、幹部会としての新たな目標の提起であります。
通常ならば、2中総で決定した「特別期間」の目標と期限を、この時点で変更することはありえないことです。しかし、今は通常の時ではありません。コロナ危機とたたかいながら党活動をどう発展させるかという特別の時期であります。そのことを考慮し、以上のべた目標を、5月末までに「これだけは必ずやりきる」という全党の力で必ず達成すべき目標として、幹部会として提起したいと思います。
4月と5月は、東京都議会議員選挙、総選挙などの政治日程を展望しても、きわめて重要な時期となります。この時期に、わが党が二つの目標を掛け値なしに達成すれば、その後の活動の大きな発展の土台をつくることができます。
全国の同志のみなさん。総選挙での躍進をめざし、全党の力を結集して、この目標を必ずやりきろうではありませんか。(拍手)
コロナ危機のもとでも前進できる党活動をどうつくるか
新型コロナ危機が続くもとでも前進できる党活動をどうつくるか。コロナから国民・党員の命と健康を守ることと、総選挙躍進をめざす党活動・党建設の前進をいかにして両立させるか。この課題に全党が本腰を入れてとりくみたいと思います。
都道府県委員長からのアンケート、全国からの聞き取りでは、コロナ危機という困難に正面から立ち向かい、さまざまな工夫をして前進をかちとっているすぐれた経験も明らかになりました。昨日の幹部会でも、さまざまな創意的な工夫が全国各地で行われていることが語られました。それらにも学びつつ、以下、5点を訴えたいと思います。
コロナから命と暮らしを守るとりくみを、全国の草の根から発展させよう
第一は、国民の苦難軽減という立党の精神にたって、コロナから命と暮らしを守るとりくみを、全国の草の根から発展させることであります。
「アンケート&リーフ」も活用し、「コロナでお困りごとはありませんか」、「困ったことは共産党にご相談を」と、電話も大いに使って対話を広げ、国民の願いを聞き、苦しみを打開していくとりくみに、すべての党支部、党機関が、国会議員団・地方議員団と協力してとりくみましょう。
「検査の拡充を」「十分な補償を」「医療破壊を許すな」など、直面する熱いたたかいの課題で、全国の草の根から要求実現の運動を発展させましょう。
感染対策をきちんとやりながら、支部会議、党機関の会議を、しっかりと開こう
第二は、支部会議、党機関の会議をどうやって開くかということであります。
全国からの報告でも、コロナ危機のもとで、支部会議の開催が弱まり、未開催の支部が増えているという実態が報告されています。開催した支部でも参加党員が減少し、時間をとっての討論がされていないという状況があります。都道府県や地区の党機関の会議でも同様の問題が生まれています。
他方、困難なもとでのさまざまな工夫も報告されています。千葉県・西部地区委員会では、感染対策のために支部会議をいくつかの班に分けて分散して開催する努力を行い、9割以上の支部が会議を継続しています。分散開催によって、かえってみんなが発言できるようになり、みんなの力を引き出すことができるようになったという経験も各地で生まれています。
全国の職場支部では、オンラインでの支部会議を開催する努力も行われています。オンライン会議をやってみましたら、コロナ危機の前よりも参加者が増えたという経験も生まれています。分散会議やオンライン会議にとりくみつつ、「みんなで顔を合わせて交流したい」と、月1回は、広めの会場を確保して会議を開催するなどの努力も行われています。
支部会議、党機関の会議は、あらゆる党活動の力の源泉です。そこが弱まっている状況を続けていては、わが党がもつ本来の力を発揮できませんし、「支部が主役」の活動を発展させることもできません。
全国の同志のみなさん。感染対策をきちんとやりながら、あらゆる知恵と工夫をこらし、支部会議、党機関の会議を、必ず、しっかりと、開こうではありませんか。会議には最大限の同志の参加を呼びかけつつ、どうしても参加できない同志には、温かい連絡・連帯網をつくって会議の中身を伝えていこうではありませんか。どんな困難があっても会議は絶対にあいまいにしない――このことを党活動の基本として、今、しっかりとすえようではありませんか。
とくにこの4月から、文字通りすべての支部・グループが、必ず会議をもち、人間的連帯と政治討議・学習を重視し、「楽しく元気の出る」中身の会議にしていきましょう。2中総決定とこの決起集会の方針を討議し、国民の要求にこたえた活動とともに、党員拡大・読者拡大の目標と計画をもって、足を踏み出すことを心から訴えたいと思います。
感染対策をきちんとやりながら、支部主催の「集い」を工夫して開こう
第三は、国民とともに日本の未来を語り合う「集い」を、どうやって開くかということであります。
全国からの報告でも、コロナの影響で「集い」の開催が弱まっている悩みが報告されています。「集い」の開催数は、コロナ前の水準の約半分に落ち込んでいます。
他方、ここでもさまざまな努力が報告されています。北海道・苫小牧地区委員会では、党機関の役員の会議を三つのグループに分けてじっくり行い、「なぜ特別期間か」をしっかりと意思統一し、支部長会議も分散方式で成功させ、党機関の役員が支部に入り、2月、読者拡大で前進をかちとりました。しかし、2月、党員拡大はゼロでした。なぜかと考えたら、支部がコロナで「集い」が困難と思っていることに気づきました。ここを突破しないと党員拡大は進まないと考え、感染対策をしっかりやれば「集い」はできると呼びかけました。広い会場を借りて、あるいは党員のお宅を使って小規模で、マスク、消毒、換気などを徹底し、「集い」にとりくみ、3月は7人の党員を迎えています。この経験を伝え、「『集い』はすごいね」「『集い』は開けるね」となり、とりくみが広がっているとの報告でありました。
全国各地で、オンラインを活用しての「集い」が、多種多様な形で開かれていることも重要であります。比例ブロック単位でとりくまれているオンライン演説会も、視聴箇所が1万6000カ所を超えているのですから、意識的にとりくめば、それらの一つひとつが「集い」になりうるものではないでしょうか。
「集い」は、総選挙勝利にむけたあらゆる活動の推進軸となる重要なとりくみであります。党勢拡大の根幹である党員拡大を前進させようとすれば、「集い」を開くことが絶対に必要であります。
全国の同志のみなさんに訴えます。感染対策をきちんとやりながら、また、オンラインを大いに活用しながら、支部主催の「集い」を工夫して無数に開こうではありませんか。(拍手)
オンライン演説会を発展させつつ、街頭や街角での訴えを大いに行おう
第四に、オンライン演説会を発展させつつ、街頭や街角での訴えを大いに行い、ポスターを100%張り出し、党の勢いを示すことを訴えたいと思います。
オンライン演説会は、コロナのもとでも思い切ってとりくめる活動として、全党の知恵と力でつくりだした、わが党ならではの貴重なとりくみであります。これを大規模に、また多種多様な形で、発展させていくことを呼びかけます。地域を単位としたとりくみとともに、各分野ごとのオンライン演説会にもとりくみたいと思います。
同時に、わが党の元気な姿が、有権者の目に見え、耳に聞こえるとりくみを、いま思い切って強める必要があります。街頭や街角での訴えを大いに行いましょう。感染対策をきちんと行いながら、街頭演説会にもとりくみましょう。街頭や屋内での演説会とオンラインを組み合わせることもおおいに工夫しましょう。
党大会第二決議にもとづき、世代的継承の目標と計画をもち、自覚的に推進しよう
第五に、「すべての課題において、世代的継承の目標と計画をもち、自覚的に推進する」との2中総決定を太く貫き、実践することであります。
都道府県委員長からのアンケートで、党大会第二決議にもとづき、世代的継承で変化をつくっていることが、少なくない県委員長から確信をもって報告されているのは、たいへんに心強いことであります。
長野県委員長は、次のような報告を寄せています。「若い世代・真ん中世代の中でのとりくみも、死活的課題として、全党が一丸となってとりくめば変化をおこせます。有権者台帳から39歳以下を1万人ピックアップしてアンケートを届ける1万人アンケート作戦にとりくみました」、「『特別期間』で34人が入党していますが、そのうち24人は若い世代・真ん中世代です」。こうしたとりくみは、全国どこでも可能ではないでしょうか。全国に広げていくことを呼びかけたいと思います。
「特別期間」での入党者のうち約4割が若い世代・真ん中世代となっており、従来より比率が高まっています。党員拡大を大きく前進させながら、若い世代・真ん中世代の占める比率を5割以上に高めることができれば、世代的継承への展望が大きく開けてきます。
食料支援の活動などを契機に、若い世代のなかで民青拡大、党員拡大が前進していることも重要であります。民青拡大は、2中総以後、現在まで455人となっています。若い仲間のみなさんが、たいへん健闘しています。すべての都道府県で、民青同盟が、学生むけの食料支援と新入生歓迎運動にとりくみ、民青拡大の飛躍をつくりだすことができるよう、親身の援助を強めようではありませんか。
5月23日に予定されている民青主催の学生向けオンライン企画を大成功させましょう。パンフレット『高校生に語る日本共産党』を民青同盟のみなさんにプレゼントすることになりました。大規模に活用することを、お願いしたいと思います。
思い切って足を踏み出すならば、世代的継承の事業を前進させる条件は大いにあります。全国の同志のみなさん。若い仲間のみなさんとも力をあわせて、ここでも未来をひらく奮闘をしようではありませんか。(拍手)
四、中間地方選挙の勝利、全党の力を集中して東京都議選躍進をかちとろう
最後に、中間地方選挙、東京都議会議員選挙について報告します。
今年1~2月の中間地方選挙の結果は、37選挙区でたたかわれ、前回比13議席の減少、改選比6議席の減少、前回比での得票の増加は19%の選挙区にとどまりました。中央委員会は、同じ政治的条件のもとで選挙結果の明暗を分けた教訓を明らかにし、3月はじめに中井作太郎選対局長の論文を発表し、中央の自己分析も含めて、とりくみの抜本的強化を呼びかけました。
3月以降にたたかった27選挙区の結果は、前回比1議席の増加、改選比6議席の増加、得票を増加させた選挙区が43%となり、前進の流れが起こりつつあります。東京・小金井市議選、埼玉・富士見市議選などで、やるべきことをやりぬき、わが党が議席と得票をのばし、自民党や自民系候補を落選させるという勝利が記録されたことは重要であります。
4月から6月にかけて、中間地方選挙が、98選挙区、138候補をたててたたかわれます。そのすべてに勝利し、着実な前進の流れをつくりだすことは、総選挙で躍進するうえでも不可欠であります。
東京都議会議員選挙は、6月25日の告示まで79日、7月4日の投票まで88日と迫りました。この選挙は、「自民・公明・都民ファースト」対「日本共産党と市民と野党の共闘」という対決構図があざやかに浮き彫りになっています。前々回と前回、連続躍進し、都議会で野党第1党となった日本共産党都議団は、自民党と一体の小池都政のもとで、都民の運動と結んで、コロナ対応でも、暮らしと福祉でも、ジェンダー平等など民主主義でも、都政を動かす抜群の働きをしています。
都政の前途を大きく左右するとともに、総選挙の動向にも直結する首都の政治決戦で、選挙勝利に必要な独自の課題をやりぬき、日本共産党の躍進を必ずかちとるために、全国のみなさんの力を総結集することを、心から呼びかけるものです。(拍手)
全国の同志のみなさん。4月と5月、コロナから国民の命と暮らしを守るとりくみに力をつくしながら、「総選挙躍進特別期間」を、全党の知恵と力を総結集して必ず成功させ、総選挙躍進の道を開くために、全力をあげて奮闘しようではありませんか。私たちもともに頑張りぬく決意を申し上げて、幹部会を代表しての報告を終わります。ともに頑張りましょう。(拍手)