2021年4月8日(木)
ロッキード社製 事前提案
イージス選定 防衛省が事実認める
穀田氏に答弁
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政府が導入を進める「イージス・システム搭載艦」のレーダー選定で、ロッキード・マーチン(LM)社を優遇した疑惑に関し、防衛省の中山泰秀副大臣は7日、同省が正式に提案書を受領する以前に米側からLM社レーダーについて「紹介があった」と述べました。事前の提案があったことを事実上認めたものであり、「ロッキードありき」の疑惑がいっそう深まりました。同日の衆院外務委員会の日本共産党の穀田恵二議員への答弁。
防衛省は、2018年6月12日に米ミサイル防衛庁(MDA)とLM社から「SPY7」、MDAから「SPY6」(レイセオン社製)の提案を受領しており、それ以前に提案を受けた事実はなく、公平・公正な手続きで選定されたと説明してきました。
これに対して穀田氏は、18年2月11日付「産経」でLM社のブラッド・ヒックス担当副社長が「(防衛省に)開発中のSSR(現SPY7)のご提案をしている」「私どもとしてはMDAを通じてデータを提供している」と証言していたと指摘。「防衛省の説明と違う」と迫りました。
中山氏は当初、「報道は承知していない」と述べていましたが、穀田氏の重ねての追及に「『紹介』を受けている」と答弁し、米側から働きかけがあった事実を認めました。
穀田氏は「選定が最初から『SPY7ありき』だったのではないか」と指摘し、事実関係の徹底調査を求めました。中山氏は「防衛省で整理して報告したい」と述べ、調査を約束しました。
防衛省がレーダー選定直前の18年7月23日に極秘来日したグリーブスMDA長官(当時)について、ジョン・ヒル現MDA長官が「誠実な仲介者だ」と述べていることを根拠に米側の圧力を否定しているのに対し、穀田氏は、ヒル氏はグリーブス長官のもとで副長官を務めていた人物であり、「何の裏付けにもならない」と批判しました。