2021年4月5日(月)
きょうの潮流
公共の空間で恐怖を覚える女性は、男性の2倍を数えるそうです。イギリス運輸省の調べでは、駅のホームで電車を待つときや駐車場を歩くときに怖いと感じる女性は約6割。男性はその半分以下という結果に▼性の違いによる格差をさまざまなデータで示した『存在しない女たち』に紹介されています。都市計画が専門の大学教授は「移動中の女性に対する性犯罪は明るみに出ておらず、実際は膨大な数にのぼる」▼「通学中は連日」「数え切れないほど日常的にある」。日本共産党の東京都委員会が痴漢の実態を調査したところ、生々しい叫びとともに公共空間のあらゆる場所で被害にあっていたことがわかりました▼先日、駅で男性から意図的に突き飛ばされた池内さおりさん(前衆院議員)が「女性差別だ」とツイッターで抗議。すると同じような体験をしたという声が次つぎに。ジェンダー問題に詳しい弁護士の太田啓子さんは「女性蔑視に基づく行為」だと指摘します▼性差によって脅かされる日常。それを率先してただすべき政治の場で日本は世界から大きく遅れています。直近の男女平等度を示す指標は先進国最下位の120位。とくに政治や経済の分野で格差は大きい▼なにより政権与党が差別をあおっています。「女性はいくらでもうそをつける」をはじめネット投票では自民党議員の発言が4年連続でワースト1位に。同じ人間なのに、一方を“不在の存在”とみなす社会の怠慢。それを変えていく行動に性差はないはずです。