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2021年4月1日(木)

義務教育標準法改正案への吉良議員の賛成討論(要旨)

参院本会議

 日本共産党の吉良よし子議員が31日の参院本会議で行った義務教育標準法改正案についての賛成討論(要旨)は次の通りです。


 少人数学級の実現は関係者が長年にわたり求めてきたものです。集まった署名数は32年間で累計4億6000万人分に上ります。

 本法案は40年ぶりに、小学2年生から6年生までの学級規模を40人から35人に縮小するもので、幅広い国民の世論と運動が勝ちとった大きな前進です。

 この前進を勝ち取る大きなきっかけとなったのは、分散登校です。分散登校を通じ少人数のよさを実感した人たちの声が、今回の35人学級実現を後押ししたことは言うまでもありません。

 本法案は、少人数学級を新2年生から段階的に実施するとしており、新3年生以上は卒業まで40人学級のままです。昨年、署名を集め、声をあげた保護者とその子どもたちのほとんどは対象外となります。より早急に、35人学級がすべての小学校で実現されることを求めます。

 あわせて、菅総理や萩生田文科大臣が「中学校を念頭」に「検討」すると明言したことは重要です。ただちに具体化を求めます。さらに、特別支援学校、特別支援学級、公立の幼稚園、高等学校でも少人数学級、30人学級の実現も求めます。

 少人数学級の実現には教員の確保が大きな課題です。各自治体で教員の正規採用が減る一方、臨時的任用の教員はこの10年間で4000人以上も増えていて、雇用の調整弁となっています。この機に、非正規教員の正規化をすすめること、国が改めて定数改善計画を策定し、教員確保の見通しを示すことが必要です。教員免許更新制はただちに廃止し、教員の長時間労働も是正するよう強く求めます。

 教室不足の解消も重要です。過大規模校の解消は、少人数学級を実施する上で欠かせません。

 本法案は、検討条項がもうけられ「学力の育成」などの指標による少人数学級の効果検証を求めています。しかし、参考人質疑では、点数ではかる「学力」では見えない効果に注目すべきだと異口同音に出されました。

 貧困の広がりや社会の変容の中で、深刻な悩みを抱える子どもが増え、発達障害や外国人の子どもなどへの特別な支援の必要も増しており、学校生活の面からも学級規模の縮小が求められています。

 点数で数値化された「学力」にばかり注目するのではなく、一人ひとりの子どもたちが「自分は大切にされている」と実感できる学校現場への転換をはかるよう強く求めます。


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