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2021年3月28日(日)

マイナンバーカード事業

国会提出資料ずさん

システム機構 11件75億円超記載漏れ

 地方共同法人「地方公共団体情報システム機構」が発行するマイナンバーカードとその関連事業の契約実態を本紙(3日付)が報じた直後に、国会提出資料から11件、総額75億円超の契約が記載もれしていたことがわかりました。発注の原資は国民の税金なのに、契約は当初、情報公開が不十分であり、しかも管理がずさんという同機構の実態が見えてきました。(矢野昌弘)


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(写真)WG委員企業の日本電気が破格の安値で落札したシステム機構の開札調書

 同機構は日本共産党の本村伸子衆院議員の追及を受け、今年になって契約金額などの新たな契約情報を、本村氏に提出。ところが、その後、「ホームページでの公表に向け、内容を精査する過程で、提供した実績一覧に記載漏れがあった」と同機構が明らかにしました。

 記載もれは、2013年度分のシステム開発など全契約分4件や18年度の4件など、四つの年度で計11件が見つかりました。

 これまで明らかになった分と合わせた契約を本紙が集計した結果、同機構が契約したマイナンバーカード関連事業は108件1453億円になります。

 108件の契約先をみると、マイナンバー制度創設に向けた政府の「情報連携基盤技術ワーキンググループ」(WG)メンバーの大手電機企業7社とその関連企業が、全体の8割超にあたる80件1199億円超を契約していました。

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 受注したWGの委員企業は、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、富士通、日本電気、日立製作所、沖電気、大和総研ビジネス・イノベーションです。

 13年度から20年度までの8年間に、NTTコミュニケーションズは共同受注を含め59件を契約。NTTデータは46件(同)となっており、NTTのグループ企業が多数、契約を結んでいました。

 同機構が新たに出した契約情報には、8000万円の予定価格のわずか2%、177万円で日本電気が落札したという不可解なものもありました。開札調書によると、入札に参加した他の2社が予定価格の7割ほどで入札したのと比べると、日本電気の金額が際立っています。

 機構の説明によると「顔認証機能の新規開発を想定したものだったが、落札業者がすでに開発したソフトウエアを活用したため、落札金額が低くなった」と説明します。日本電気は、警察庁からも顔認証システムのプログラム開発を受注しています。

 同機構が明らかにしたのはマイナンバーカードに関する契約です。さらに巨額の公金が投じられているマイナンバー制度のシステム開発の契約についても開示が求められます。

確認のたびに件数が増える

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 本村伸子衆院議員の話 マイナンバーカードに関する契約情報をシステム機構に求め続けて、1年近くになります。当初は多くの金額が非公表だった上、確認するたびに契約件数が増えていくというありさまです。記載もれなのか、隠ぺいなのかも問われます。マイナンバーという機微な情報を扱う法人だけにずさんな情報管理は絶対に許されません。さらなる深掘りをし、見直しを求めていきます。


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