2021年3月24日(水)
ダム依存から転換を
流域治水関連法案 高橋氏が質問
衆院本会議
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台風・豪雨災害の激甚化を受け、ダムと堤防主体の治水から、市街地を含む流域全体の治水に転換する流域治水関連法案が、23日の衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の高橋千鶴子議員が質疑に立ちました。(詳報)
同法案は、ダムと堤防による従来の治水対策が降雨量の大幅増で限界にきているとして、遊水池や雨水貯留施設の整備、浸水地域の開発規制、利水ダムの事前放流の拡大など、流域全体での対策へと見直すもの。共産党は、ダム依存から脱し、流域治水対策を強化するよう繰り返し求めてきました。
高橋氏は、昨年の九州豪雨で氾濫した球磨川(熊本県)をめぐり、国土交通省が「川辺川ダムがあれば被害は軽減された」と発言したと指摘。地元は数十年にわたる議論の末、2008年に「ダムによらない治水対策」を決断したのに、ダムに固執する同省により河川整備計画がつくられなかったと批判しました。
その上で、氾濫を受けた球磨川の治水対策案には、同省が不可能だと言い続けてきた河道掘削などが盛り込まれていると述べ、「12年前から対策を進めていれば、昨年の被害は軽減されていたのではないか」と国の責任を追及。赤羽一嘉国交相は、対策を「着実に実施してきた」と強弁しました。
高橋氏は、「浸水被害防止区域」を創設し、開発・建築を規制することについて、「防災集団移転の際の自己負担分、移転元と移転先の地価逆転による不利益も考慮した支援策を検討すべきだ」と強調しました。