2021年3月18日(木)
デジタル関連法案
行政サービス後退
衆院内閣委 塩川氏が追及
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日本共産党の塩川鉄也議員は17日の衆院内閣委員会で、デジタル関連5法案の質疑に立ち、デジタル化を生かすとともに、住民の多面的な行政ニーズに応える対面サービスの拡充こそ必要だと強調しました。
平井卓也デジタル改革担当相が「人が人を助ける仕事は重要だ」と答えたのに対し、塩川氏は、前橋市のマイタク制度(高齢者など移動が困難な人へのタクシー代補助)では、来年4月から紙の利用券が廃止され、マイナンバーカードでしか利用できなくなると指摘。「マイナンバーカードを利用していない住民を排除し、利便性を後退させている」と批判しました。
塩川氏は、妊娠届の受付時に独自の聞き取りをし、経済的困難やDV(配偶者等からの暴力)の早期発見・支援につなげている政令市の例などを挙げ、「行政窓口の申請・届け出の受け付け業務は、生活の悩みや相談事に応じる場だ。デジタル手続き推進は、対面手続きの縮小・廃止につながる」とただしました。
内閣官房の時沢忠内閣審議官は、「デジタル手続きの推進により相談業務をおろそかにする方向で考えているものではない」と答弁しました。
塩川氏は、平井担当相が「無理やりデジタル化は考えていない」と答えたのに対し、基本法案は基本理念に行政運営の「簡素化」を掲げ、自治体に公共サービスのデジタル化施策の策定・実施を「責務」として課していると指摘。「2019年のデジタル手続き法より踏み込んだ内容だ」と強調しました。
また、個人情報保護について、整備法案で「自治体独自の条例や制度に縛りがかけられ、個人情報保護よりも、データの利活用を優先する仕組みになっている」と告発。平井氏が「地方自治体と意見交換しながら検討してきた」と正当化したのに対し、「自治体独自の取り組みを掘り崩すものだ」と批判しました。