2021年3月18日(木)
核抑止脱却を迫る
井上氏 禁止条約参加すべきだ
参院予算委
日本共産党の井上哲士議員は17日の参院予算委員会で、日本が核兵器禁止条約への参加を拒む根本に「核抑止力」論があるとして、抑止力論からの脱却を求めました。
井上氏は、「抑止力は『いざという時には核兵器を使い広島・長崎のような非人道的な惨禍を繰り返すことをためらわない』ものだ」と指摘。日本政府はオバマ米政権の「核先制不使用」に反対したことをあげ、「核先制使用に反対だと明確に言えるのか」とただしました。茂木敏充外相は「抑止の観点から米国の核に依存する。相談していくことになる」と明言を避けました。井上氏は「結局、核先制不使用に賛成だと言わない。核兵器の非人道性への批判と核抑止の依存は両立しない」と強調しました。
また、日本政府は核兵器禁止条約は非締約国を拘束しないとして実効性を否定していますが、井上氏は、対人地雷禁止条約やクラスター弾禁止条約などの発効後に製造企業への投資撤退の流れが広がり、使用・生産・輸出が激減し、非締約国にも影響を及ぼしたと指摘。核兵器製造企業への投資を中止する動きも国内外で広がっているとして、「条約に参加して規範力を高め、保有国を包囲すべきだ」と指摘しました。
茂木外相は「兵器の戦略性をみると、核兵器とクラスター弾などは同レベルで比較できない」と述べました。
また井上氏は、英国が核弾頭保有数の上限を引き上げたとの発表(16日)に関し、「NPT(核不拡散条約)第6条の核軍縮義務違反ではないか」と質問。茂木外相は「報道は承知しているが事実関係を把握した上で検討したい」と述べるにとどめました。井上氏は「違反と言えないでどうして『橋渡し』ができるのか」と批判しました。