2021年3月14日(日)
マクドナルド相次ぐセクハラ
労働者3人が申し立て
米国
米中西部シカゴにあるファストフード大手マクドナルドの店舗でセクシュアルハラスメントを受けたとして、労働者3人が同社を相手取って、政府独立機関の雇用機会均等委員会に申し立てを行いました。米メディアが10日、報じました。
それによると、3人のうち2人はシフト責任者からセクハラを受けました。もう1人はセクハラを告発した結果、労働時間を減らされる報復を受けました。
シカゴで最低賃金引き上げを求める運動を率いるアドリアナ・アルバレス氏は「どこであれセクハラはあってはならない」と強調。マクドナルド社に対し申し立てを真剣に受け止め、労働者と話し合うよう求めました。
米CBSニュースは2月末、マクドナルドの店舗でセクハラを受けた4人の労働者の経験を紹介。労働組合が昨年、同社の約800人の女性労働者を対象に行った調査では、4分の3がセクハラを受けたことがあると回答しました。71%はハラスメントを告発した結果、報復されたと答えました。
マクドナルド社をめぐっては2016年からセクハラの告発や訴訟が相次ぎ、50件以上に上っています。同社は19年にセクハラ対策を示しました。人権団体「全米市民自由連合(ACLU)」の幹部はCBSニュースで「実際には対策が職場でまったく実践されていない」と批判しました。
ニュース報道を受けて同社はメッセージを発表しましたが、「安全な職場環境に向けた訓練」を強調する程度にとどまりました。(島田峰隆)