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2021年3月14日(日)

食料支援 学生の心も支え

広がる人の輪 高知

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(写真)食料品を受け取りに来た学生ら=12日、高知市

 高知県の学生食料支援活動は日本民主青年同盟などが「ほっとまんぷくプロジェクト」として、昨年5月に高知大学前でスタート。これまでに、県内6会場に広がり、月に10回ほど、合わせて91回開き、延べ3172人(9日現在)の学生が利用しています。

 「何か手伝いたい」と約50人の学生がボランティアに参加しています。

 最初の食料支援に参加した高知大学1年の男子学生は「少ないスタッフの方が、たくさんの学生に対応していて、大変だなと思い、その場で『手伝います』とボランティアに手をあげました。その後、ボランティアがだんだんと増えていき、最初は考えていなかったのですが、そこで、友人ができるといううれしいことがありました」。

 別の1年の男子学生は「パソコンを見つめるだけの毎日でよいのかと、ボランティアに参加しました。そのおかげで、たくさんの人と交流でき、大切な友だちもできました」と言います。

 「それまでは学生とのつながりが一切なく、食料支援がなければ今の私はいません。食料支援は学生の食を支えるだけでなく、学生同士が関われる大切な居場所として多くの学生を支えています」と述べるとともに、「本来は国や県が学生を支援するべきだと思います」と語りました。

 「ただ、食料をもらうだけでは申し訳ないと思い、何か手伝いたいとボランティアに参加しました」という1年の男子は「学生と交流できるのに加え、スタッフの方や地域の方に、大学の授業のことや、生活で困っていることを身近に相談できることがありがたい」と話します。

 昨年11月にはスタッフとボランティアの意見交換会を開き、今後の運営などについて話し合いました。今月10日にはレクリエーションも取り組まれ、香美(かみ)市の観光名所の洞窟を散策し、公園で食事をして交流しました。

 食料支援を多くのおとなが支えています。農家から米や野菜が届けられたり、地域の人が空揚げやサラダなどの総菜をつくって持ち込むなどの支援があり、多くの募金が寄せられています。

 学生一人ひとりが感謝の気持ちや思いを語る動画や、たくさんの手紙やはがきなどが届いています。そこには「野菜、果物、お菓子まで本当にいろんなものがあり、バランスよく食事することができました」「一気に友だちが増えました」「一人になって高知に来たことを後悔した時もありましたが、ボランティアに参加して、大切な友だちもでき、頼れる人もできて、今は高知に来てよかったと心から思うことができます」「食料支援のおかげで心の負担が軽くなり以前よりも明るく生活できています」などとあります。

 会場では、アルバイトの減った学生に休業支援制度の相談会も行われました。

 また、2度にわたって学生実態アンケートを実施。昨年12月から今年2月に行ったアンケートには233人が回答。アルバイトが減るなどして前期より経済面でも精神面でも学生の状況が悪化していることが浮き彫りになり、学費値下げを求める声が多く寄せられました。民青県委員会はこの結果を県庁で記者会見をして発表。その後、県議会の各会派を回って、伝えました。(高知県・浦準一)

回重ね声増え 山梨

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(写真)アンケートに答える学生たち=1月23日、甲府市

 甲府市など山梨県内で行われている学生食料支援活動「ほっとまんぷくプロジェクト」は、これまでに7回実施され、学生や若者にコメ、レトルト食品、缶詰などを配布してきました。「バイトを禁止されてできない」(42・2%)、「親の収入が減って苦しい」(13・8%)といった声が回を重ねるごとに増え、学生の深刻な実態が見えてきます。

 同プロジェクトは、日本民主青年同盟、新日本婦人の会山梨県本部、山梨民医連、山梨県高教組などの協力で続けられています。甲府市で行われた1月の「ほっとまんぷくプロジェクト」には、山梨学院大学の学生317人が訪れました。

 学生から「バイトができず、仕送りで生活しているけど親の収入も減って大変。またやってほしい」(20歳)、「生活費を稼ぐため睡眠を削って働いている。基本は1日1食」(18歳)、「母の会社がつぶれて半年ほど仕事がない状態が続き大変だった」(18歳)などの切実な声が寄せられました。

 授業についても「オンライン授業で学校に行けず、友だちができない。授業内容が難しいのに質問も教え合いもできない」(法学部1年生)、「安くない学費を払っているのに大学の施設や設備を使えないのは不満だ。学費を返してほしい」(スポーツ科学部2年生)、「実習を受け入れない、人数制限などで自分の思うようにできなくて不安」(保育科1年生)などの意見が寄せられ、回答者の95・1%が「学費半減」の要求に賛成しました。

 コロナ対策で政府に対し、10万円の緊急給付金の支給を求める声も多数あり、「時短営業でシフトが減って収入減。要請をすれば困っている人がいるから補償をしてほしい」(22歳)、「Go Toとかじゃなく、困っている人に支援金を配ってほしい」(21歳)などの要望が出されました。

 企画については「いいイベント。楽しい」「コロナで孤独を感じてきた。人と集まる機会にもなりリフレッシュできた」など交流の場になりました。「自分もボランティアに参加したい」と答えてくれた学生は20人に上りました。(山梨県・渡辺正好)


困窮学生を支援

「学費稼ぐため休学」 鳥取大学近くで

 コロナ禍で困窮する学生に無料で食料品などを配る第6回「フードプロジェクト・学生食料支援」が13日、鳥取市の鳥取大学近くの会館で午前と午後開かれました。同実行委員会が主催したもの。

 コメ3キロ、レトルトカレー、缶詰、菓子類を袋詰めセットにして配り、ダイコンやシロネギも用意しました。

 「コロナで自動車整備業の親の収入が減って学費が払えなくなり、学費を稼ぐために休学しました」(4年生女子)、「給付型奨学金6万7千円(授業料免除)と飲食店のバイト料5万円で暮らしています。すごいもらえて助かります」(3年生女子)、「月4万~5万円あった飲食店のバイトがなくなり、生活はかつかつで助かります。仕送りはなく、収入は奨学金5万円と塾のバイト料2万~3万円」「バイト料月10万円が1万5千円に減り、貯金と仕送りで暮らしています」(ともに3年生男子)などの声が寄せられました。

「生理用品うれしい」 長崎0円いちば

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(写真)日用品などを選ぶ学生ら=13日、長崎市

 コロナ禍で困窮する学生を支援しようと「学生応援!ながさき0円いちば」が13日、長崎市内の公園で実施されました。日本民主青年同盟長崎県委員会(筒井涼介委員長)が中心となり取り組まれ、今回で5回目。同盟員以外に3人の男子学生がスタッフとして参加しました。

 約50人の学生が来場。テントが張られた会場には開始と同時に学生らが並び、取れたてのネギ、コメ、レトルト食品、洗剤、マスクなどを袋に詰めていきました。

 ツイッターを見たという大学3年の女子学生は「奨学金を受け、親の仕送りとバイトで節約しながら生活しているので、こんなにいろいろあって助かります」とうれしそうに語りました。

 アンケートにもほとんどの学生が記入し、「生理用品があってうれしかった」「オンラインの生活で人と関わる機会が減った」などの回答がありました。アンケートに答えた大学1年の女子学生がスタッフ登録しました。

 通りがかった女性が「学生さんに」とインスタントラーメンを差し入れし、“支援物資の提供をしたいがどうすればいいか”と尋ねる人もいました。


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