2021年3月14日(日)
介護施設 食費補助の見直し
対象27万人 影響100億円
倉林氏に答弁
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8月に予定されている介護の利用者負担増をめぐり、厚生労働省は12日、介護施設に入所する低所得者への食費等の補助(補足給付)の見直し対象者が約27万人で、影響額は約100億円に上ることを明らかにしました。参院予算委員会で日本共産党の倉林明子議員に答弁しました。
同省は、介護利用料の自己負担上限額(高額介護サービス費)引き上げについては、対象3万人・影響額10億円程度だと説明。対象人数・影響額は介護保険部会に示していないことを認めました。人数・額ともに8月から来年3月末までの約半年分の数字です。倉林氏は「影響額は介護サービス利用者の負担増に直結する。部会で議論のやり直しが必要だ」「補足給付は低所得者への福祉施策として一般財源を充てるべきだ」と主張しました。
政府は、補足給付の資産要件を厳格化して補助の対象や額を狭めようとしています。自己負担の上限額は、現在の最大月4・4万円から、所得に応じて同14万円に引き上げる方向です。
倉林氏は、介護保険制度の開始から20年余りで介護労働者の待遇も悪化し続けていると批判。とりわけ登録型ヘルパーは深刻で、同制度導入前に公務員ヘルパーで月収37万円超だった人が現在は月5100円~12・5万円に陥っていると述べました。また、次の訪問先までの移動や待機の時間が法令に反して労働時間とみなされず、細切れの訪問時間やキャンセルなどが、低く不安定な賃金の要因だと強調。訪問時間短縮は利用者の尊厳を守れないほどになっていると批判し、「そもそも人件費を賄える介護報酬でなく、引き下げも相次いだ。事業者を法令違反せざるを得ない状況に追い込んできた政府の責任は重大だ。人件費相当分を公費で介護保険に入れるべきだ」と迫りました。