2021年3月14日(日)
長野県北部地震10年 栄村
復興へ希望の火ともす
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長野県北部地震から10年となった12日、栄村のJR森宮野原駅前で「3・12復興灯明祭」が開かれました。住民やボランティアなど約100人が集まり、犠牲者を悼み、村の発展を祈りました。
震度6強を観測した栄村では、約700棟の住宅が被害を受け、一時は村民の7割以上が避難生活を余儀なくされました。村復興支援機構「結い」のメンバーや森商工振興会の会員らが復興の灯をともし続けてきました。10年となる今年を一区切りとします。
今年の「灯明祭」には栄村小学校の子どもたちが「たすけあうさかえ村」などのメッセージを書いた灯明を並べ、希望の火をともしました。道沿いにはキャンドルが並べられ、駅前には電飾が設置されました。
宮川幹雄村長はあいさつで「村の未来を、村民と子どもたちと力を合わせてつくっていく節目に」と話しました。
灯明祭に参加した日本共産党の斉藤康夫村議(71)は「地震発生時のゴォー、ゴォーという地鳴りが忘れられない。田んぼが地割れ、地盤沈下し、春の作付けができない地区もあった。今では爪痕もすっかり目立たなくなり、今年も春の作付けに向けて準備が始まっている」と語ります。村は米価と農地を維持するため、1アールにつき1000円の補助を出しています。
震災復興住宅に住む村民(92)は「家はあったかいし、すっかり落ち着いた。春に秋山郷の五宝木(ごほうぎ)集落へ山菜採りに行くのが待ち遠しい」と語ります。