2021年3月13日(土)
コロナ封じ込めのため大規模検査を
志位委員長が政府に緊急要請
日本共産党の志位和夫委員長は12日、菅義偉首相に対し、新型コロナウイルス感染症封じ込めのために大規模な検査を行うよう緊急に要請しました。志位氏が、西村康稔経済再生担当相と会談し、要請書を手渡しました。田村智子政策委員長が同席しました。(緊急要請全文)
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要請書は、新規感染者数の減少の下げ止まりが顕著であり、感染力が強いとされる変異株の流行が懸念されるなど感染再拡大(リバウンド)の危険があることを指摘。新規感染者数が一時期よりは減少し、検査能力に余裕ができている今こそ、コロナ封じ込めのため、無症状感染者を発見・保護するPCR等検査を思い切って大規模に実施することが必要だとして、次の3点を求めています。
(1)高齢者施設等への社会的検査を医療機関、障害福祉施設などにも広げ、職員に対し頻回・定期的(週1回程度)に行い、対象を利用者にも広げ、感染防御をはかること、(2)モニタリング検査を「1日10万」の桁で大規模に行い、感染封じ込めをはかること、(3)変異株の疑いを確認する検査の割合を大幅に引き上げること―です。
志位氏は、社会的検査については、高齢者施設等を防御するうえでは、職員に対して週1回程度で頻回・定期的に行うことが必要だとして、保育園などにも広げていくことを要望しました。
モニタリング検査については、政府の基本的対処方針に盛り込まれたものの、13都府県で「1日1万件をめざす」(政府方針)では少なすぎると指摘。無症状感染者への検査の陽性率は約0・05%から0・1%とされ、1県あたり1日800件程度の検査では数値になって表れないと述べ、「これでは感染拡大の兆候や感染源を探知することは到底できない。10倍以上の規模に引き上げを」と求めました。
変異株については、神戸市が3月4日までの1週間に陽性者の約69%を対象に行った調査で、変異株の割合が約39%だったことを指摘。政府の方針では、陽性者の5~10%を対象に変異株かどうかを確認するとしているが、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授も「調べる検体を最低でも50%まで上げないと実態はつかめない。体制をもっと強化しないと、気づいた時には変異株がまん延している事態になる」と述べていることに触れ、「5~10%では到底とらえきれない。変異株のサーベイランス(調査・監視)の抜本的増強を」と要求しました。
要請書を受け取った西村氏は、「感染が落ち着いたこの時期に検査体制を強化することが大事」と発言。社会的検査については、専門家から頻回・定期的にという提言も受けているとして「私も頻回でやっていく方がいいと思っている。厚労省に提言をしっかり伝える」と応じました。
モニタリング検査については、「1万件をめざしているが、その後も状況を見ながら増やしたい。1万で止めるということではない」と回答。変異株への対応については「全数検査を行っている自治体もある。(政府の陽性者の5~10%を対象とするという方針は)できるだけ引き上げていく」と述べました。
要請後の会見で志位氏は「政府も無症状者に焦点を当てるという方針にようやく踏み出したが、踏み出し方がまったく足りない。感染を比較的抑えている今の時期にこそ、封じ込めのための大規模検査をしっかりやることを強く求めたい。それを怠ったら、『変異株による第4波』が起こることにもなりかねない。全国各地から社会的検査、モニタリング検査を大規模に実施せよと求める運動を起こしたい」と述べました。