2021年3月9日(火)
谷脇総務審議官を更迭
接待3回、支払い1回のみ
総務省幹部がNTTから高額接待を受けていた問題で、同省は8日の参院予算委員会理事懇談会で調査の中間報告を行いました。同省は、谷脇康彦総務審議官と巻口英司国際戦略局長の計4回の会食を事実と認め、谷脇氏が代金を支払ったのは1回だけだったと明らかにしました。
武田良太総務相は記者会見で、同日付で谷脇氏を官房付に異動させる事実上の更迭を発表。参院予算委で、自らの責任は真相究明にあるとして辞任を否定し、菅義偉首相も「真相究明をして総務省を立て直してほしい」と擁護しました。
報告によると、谷脇氏の会食は2018~20年の3回で、飲食単価は総額10万6852円。うち1回は6万円余に上りました。同氏が代金を支払ったのは、20年7月3日の5000円だけでした。
同氏は4日の参院予算委で、日本共産党の田村智子議員に「先方が提示した金額を負担し、国家公務員倫理法に抵触しないと認識していた」と答弁しており、整合性が問われます。20年7月の会食には、外務省の金杉憲治外務審議官(当時)も同席していました。
巻口氏の会食は20年の1回、飲食単価4万8165円・土産代3000円で、本人負担は1万円。内閣広報官を辞職した山田真貴子総務審議官(当時)が同席していました。
総務省は、NTT側が利害関係者に当たるとの認識を示し、職員や相手企業の対象を広げて調査を続けるとしました。