2021年3月8日(月)
2021国際女性デー
政治・経済・社会…意思決定に女性を
メルケル独首相訴え
子育て支援表明、収入格差是正求める
ドイツのメルケル首相は6日、国際女性デーのビデオメッセージで、意思決定の過程で女性の代表が少ない問題や男女の賃金格差の是正を訴えました。
メルケル氏は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響によって「克服されてきたと思われていた古いジェンダーの型が息を吹き返さないようにしなければならない」と指摘しました。
「医療・薬局分野で働く人々の75%以上が女性だが、その分野の管理職の女性は30%に届かない」と述べ、「女性が社会を動かす大きな役割を果たしながら、重要な政治的、経済的、社会的決定に平等に関与していないということは認められない」と強調しました。
メルケル氏は、ドイツ政府が今年になって、大規模上場企業の経営役員会に最低1人の女性を含むことを義務づける法案を決定したことに触れ、「このことでドイツ経済は強くなる」と指摘。ジェンダー平等へのさらなる前進を図るため、就学前の子育てへの支援を拡大していくと表明しました。
メルケル氏はさらに、「社会のすべての分野で(男女が)対等である必要がある」とし、そのためにも「女性は男性と同じだけの収入を得なければならない」と訴えました。ドイツでは2019年、女性は男性より収入が平均19%少なく、欧州連合(EU)の中でジェンダーによる所得格差が最大でした。