2021年3月7日(日)
「原発のない社会へ」
安心できる環境を未来に
近畿各地で集会
東京電力福島第1原発事故から10年の節目となる3・11を前に6日、近畿各地で、福島に思いを寄せ、原発のない社会をめざす集会が開かれました。
京都
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京都市では「バイバイ原発3・6きょうと」(同実行委員会主催)が東山区の円山公園音楽堂で開かれ、約800人が参加。京都市役所前までデモ行進し沿道にアピールしました。
福島原発告訴団の武藤類子団長が講演し、「事故から10年。実態はいまだに解明できていない。私たちが失ったのは家や仕事だけでなく、人や地域のつながり、伝統行事、自然とのふれあいであり、それは生きる尊厳を失うことだ」と強調。国と福島県が新しい事業に復興予算をつぎ込んでいることを批判し「事故から10年かけて行われたのは、事故の幕引きをもくろみ、被害者を切り捨て、放射線防護を緩め、原子力産業に再び利権を与えることのように感じる」と語りました。
原発賠償京都訴訟原告団の原告は「運動に励まされている」「被害をなかったことにはさせない」と訴え。若狭の老朽原発の危険性、実効性のない避難計画の問題と自治体の責任について報告がありました。
日本共産党の穀田恵二国対委員長・衆院議員、倉林明子副委員長・参院議員が参加し紹介されました。
滋賀
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大津市で6日、「原発のない社会へ 2021びわこ集会」(実行委員会主催)が開かれました。500人が参加し、「老朽化原発とすべての原発再稼働を許さず、放射能からびわ湖を守り、私たちと子々孫々の生活を守りぬきましょう」との集会アピールを採択しました。
呼びかけ人の畑明郎氏は「福島原発事故を忘れることなく、原発のない社会をつくりあげる決意を新たにしています」とあいさつ。福井原発訴訟(滋賀)の井戸謙一弁護団長が基調報告し、嘉田由紀子参院議員、平尾道雄米原(まいばら)市長が連帯のあいさつをしました。
福島から滋賀に避難した原発賠償関西訴訟原告団の佐藤勝十志(かつとし)副代表は、国がトリチウム汚染水を海洋放出しようとしていることを批判し「原発がない、安心して暮らせる環境をつくるために頑張りたい」と力を込めました。
日本共産党の佐藤こうへい衆院滋賀3区予定候補が参加しました。
大阪
「さあ原発ゼロの時代へ」と呼びかける「2021なくせ原発!おおさか集会」が6日、大阪市内で開かれました。主催は原発ゼロの会・大阪。オンラインで開かれ、120カ所で視聴されました。
代表委員の金谷邦夫氏が「原発再稼働が9基にとどまっているのは私たちの運動の反映。国会で『原発ゼロ基本法』案の審議を要求したい」と開会あいさつ。
大島堅一龍谷大学教授が記念講演し「コロナ禍で原子力発電はさらに衰退し、世界的に見て未来はない」と強調。福島原発事故の被害が甚大にもかかわらず政府は原発を延命しようとしていると述べ「市民の力がなければますます悪くなる。市民の力で原発ゼロの政府を」と語りました。
原発賠償福島訴訟の中島孝原告団長が「国には被害者に寄り添う姿勢がない」、関西訴訟原告の武石和美さんが「原発事故は健康、心の自由、人とのつながり、社会を壊した」と述べ、国の責任を認めさせたいと訴えました。
代表委員の中村毅氏がエネルギー部会の取り組みを報告。庄司修事務局長が集会アピールを提案し、行動提起しました。