2021年3月5日(金)
深夜の銀座通いで文科副大臣更迭
田野瀬衆院議員後援会に保護者勧誘
“中立性に抵触”生徒が告発文 奈良の私立学園
緊急事態宣言中の深夜の銀座通いで文部科学副大臣を更迭された田野瀬太道衆院議員(奈良3区、自民党離党)が、私立西大和学園(奈良県河合町)の保護者に後援会への勧誘するのは問題だとして同学園の生徒、Aさんが4日、告発文を公表しました。Aさんから相談を受けていた樽井幸一郎さん(橿原市)、奥西正史さん(桜井市)、代理人の佐藤真理(まさみち)弁護士が同日、県庁で会見しました。
告発文でAさんは、入学式後の保護者に向けての田野瀬議員後援会「西道会」への入会説明は「学園内外によく知られた事実」で、「同調圧力で多くの人が加入」と実態を暴露。学園敷地内に自民党衆院議員のポスターが掲示されていたことや「学園内では教師も生徒も田野瀬太道衆院議員を『顧問』と呼び、毎年顧問講話」してきたことなどを明かし、「政治的中立性など全く存在しません」と強調。「誰かが告発しないと一向に改善されないため、勇気を出して告発」したと述べています。同学園では60人クラスがあるなどコロナ対策がまともに実施されていないことも指摘しています。
佐藤弁護士らは、2020年10月から21年2月にかけて同学園理事長と田野瀬議員に3度にわたり質問書を送付し、(1)学校における政治的中立性の確保(教育基本法第14条2項)に抵触し、(2)後援会員獲得のための個人情報使用は個人情報保護法第16条などに違反する疑いがあると指摘していました。
これに対し学園側は、違反するものではないとする回答を3度寄せました。