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2021年3月2日(火)

論戦ハイライト

接待攻勢で東北新社の要望に沿う

衆院予算委 塩川議員が追及

疑惑の徹底解明を

 菅義偉首相の長男、正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」による総務省幹部への接待問題。1日の衆院予算委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の追及で、東北新社が衛星放送に関する検討会の総務省事務方職員に接待攻勢をかけ、放送行政がゆがめられた疑いが浮き彫りになりました。


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(写真)衆院予算委員会で質問する塩川鉄也議員=1日

 焦点となっているのは、総務省の検討会「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ(WG)」。小林史明政務官が座長として2018年5月にとりまとめた報告書案は、衛星放送への新規参入の拡大を求めるもので、既存事業者の東北新社に厳しい内容でした。

 塩川氏は、接待を報じた週刊誌報道では「BSのスター(チャンネル)がスロット返して」「俺たちが悪いんじゃなくて小林が悪いんだよ」「どっかで一敗地に塗(まみ)れないと」などの会話が報じられていることを紹介。東北新社がスロット(電波周波数の帯域幅)を自主返納したのは総務省の強い要請と将来の見返りを期待してのもので、その後、WGを再始動させ新たな報告書をつくるため、同社がWGの総務省事務方へ接待攻勢をかけている姿を浮き彫りにしました。

10人中6人

 塩川 新たな論点整理の場として再開された第7回WGの総務省事務方10人中、東北新社と会食した職員は誰か。

 原邦彰・総務省官房長 吉田真人情報流通行政局長ら6人だ。

 小林政務官のもとで報告書案を取りまとめた第5回WGには当時情報流通行政局長だった山田真貴子内閣広報官、再始動した第7回WGには総務省事務方トップで情報流通行政局長だった吉田総務審議官、新たな報告書を取りまとめた直前の第11回WGには谷脇康彦総務審議官も出席。いずれも東北新社の接待を受けていました。

 塩川氏は、WGの新しい報告書案では、これまで認められなかった右旋帯域への4K化や衛星放送利用料の低減など、東北新社が有力企業である衛星放送協会の要望に沿った内容に変わったとして、次のようにただしました。

 塩川 一連の接待攻勢によって、東北新社に有利となるように行政がゆがめられたのではないか。

 武田良太総務相 現段階ではゆがめられた事実はない。国民から疑念の目を向けられることとなっており、検証するよう改めて指示を出した。

調査不十分

 塩川氏は、正剛氏の影響は「確認できなかった」とする接待問題に関する同省調査で、吉田真人氏が情報流通行政局総務課長着任以降に東北新社と3回程度会食を行った記憶があるとしている点をあげ、次のようにただしました。

 塩川 3回の会食の際、東北新社側で菅正剛氏が同席していたことは覚えているか。

 吉田 木田由紀夫氏が相手側でいた記憶はある。菅氏が同席した回もあったやに思う。

 塩川氏は、総務省の調査では不十分だとして、疑惑の徹底解明を求めました。

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