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2021年3月1日(月)

NHK日曜討論 田村政策委員長の発言

 日本共産党の田村智子政策委員長は28日のNHK「日曜討論」で、日本のジェンダーギャップをめぐり、女性の政治参加や賃金・雇用をめぐる男女格差などをめぐり、各党女性議員と討論しました。

女性の比率3割 目標達成できず

 指導的地位における女性の比率を2020年までに3割に高めるという男女共同参画基本計画の目標が達成できなかった問題が提起されました。

 田村氏は、「女性が多いと会議が長くなる」という森喜朗・前東京五輪組織委員会会長の発言をあげ、「自民党政権は、意思決定の過程に女性が加わる、女性の現状を反映し、女性の要求を反映することにやる気がなかったのではないか。それが象徴的に表れているのが選択的夫婦別姓の問題だ」と指摘。昨年12月に策定された男女共同参画第5次計画では当初から後退した記述になったことや、自民党の一部国会議員が地方議会に、選択的夫婦別姓の実現を目指す意見書を上げるなという圧力をかけており、その中に丸川珠代男女共同参画担当大臣が名前を連ねていたとして、「政府・自民党は足を引っ張るようなことはやめるべきだ」と厳しく批判しました。

コロナ感染拡大 ジェンダー格差

 新型コロナウイルスの感染拡大とジェンダー格差をめぐり、昨年4月の緊急事態宣言を受け、失業したのは男性32万人に対し、女性が74万人に達するなど、厳しい現状が紹介されました。

 田村氏は、コロナ前で非正規労働者の割合が男性2割に対して、女性が56%に達している実態を挙げ、「非正規の女性たちが雇用の調整弁として使われてしまった。このジェンダーギャップを、そのままにしてきたことが、大きな苦しみを女性にもたらしてしまった。正規を非正規に置き換えるような労働法制の改悪など、雇用のルール破壊を、このままにしていいのかが改めて問われている」と述べました。

 とりわけ、最も打撃を受けている飲食、宿泊では従業員の6割を女性が占めている現状をあげ、「まだ緊急事態宣言が出されている最中でも、持続化給付金や家賃支援給付金を打ち切った。これでは女性の雇用がもっと失われてしまう」と述べ、政府の対応を厳しく批判しました。また、休業支援金をめぐって、非正規労働者が「シフトが減っただけだ」とみなされ、休業とみなされない現状があると告発。「厚労省がまず、シフト減は休業だと認め、すぐに支援金を出すべきだ」と求めました。

 「希望は現金給付」というシングルマザーの声を紹介し、野党共同で提出を予定している生活困窮者への10万円給付法案の実現へ決意を込めました。

女性の国政参加 日本の衆院1割

 女性の国政参加をめぐり、欧州では下院で4割前後に達しているのに対し、日本の衆院は1割にとどまっている現状が紹介されました。

 田村氏は、「性暴力やDV、予期せぬ妊娠やひとり親、男女の賃金格差の問題など、女性が抱える困難や問題を当事者が意思決定、政策決定の中にいて議論をする。そういう国会にしなくてはいけない。正面から各政党が議論をしていくことが求められている」と指摘しました。

 また、各党と市民が協議してつくられた候補者男女均等法案では、候補者を「できる限り男女均等」にするとしており、「それをやるのかどうかが、各党に問われている」と訴えました。

 田村氏は、「ジェンダー平等、LGBT、個人の尊厳を求める運動など、さまざまな社会活動を女性たちが担っている。自らの要求や自らの経験から、世の中を変えよう、社会を変えようという女性たちを、どこまで政党が本気になって迎え入れて、候補者にして、一緒に歩んでいこうという姿勢が、今まさに問われている」と述べ、各党に女性の国政参加への決意を呼びかけました。


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