2021年2月26日(金)
経済的権利の男女格差
日本 世界80位に低下
賃金・職業などで遅れ
世界銀行は23日、経済的な権利をめぐる男女格差を調査した年次報告書を公表し、日本は190の国や地域のうち、昨年の74位から80位に低下しました。世界がジェンダー平等社会の実現に向けて前進する中、日本の男女格差解消のための取り組みの遅れが浮き彫りになりました。
調査は、2019年9月から20年10月までの期間を対象に、職業や子育てなどの8分野における、女性の権利に関わる法律や規定を評価したもの。日本は、報酬額の男女間格差などをみる「賃金」や、職場での性差別・ハラスメントを罰する法律に着目した「職業」の各分野で達成度が半分にとどまり、順位が低下。主要7カ国(G7)の中では最下位となりました。
また「子育て」の分野では父親の育児休暇について、19年に育児休暇を利用した父親がわずか7・5%だったことを指摘。ジェンダー平等の実現には、職場と家庭内の負担を分け合うことが不可欠だと強調しました。
一方、新型コロナ感染拡大により、失業、家事・子育ての負担増大、ドメスティックバイオレンスなどで多くの女性が深刻な状況におかれる中、約30カ国の政府が、女性の権利を守るための法律改定に踏み切ったと指摘しました。