2021年2月25日(木)
総務省接待問題
11人を減給など処分
野党「甘い調査で幕引き」批判
菅義偉首相の長男で、放送事業会社「東北新社」に勤める菅正剛氏(元総務相秘書官)らが総務省職員12人を接待した問題をめぐり、同省は24日の衆院予算委員会理事会で、接待を受けた幹部ら11人が、国家公務員倫理規程に違反したとして減給などの処分を実施したと報告しました。
懲戒は9人で、事務次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官ら7人を減給、2人を戒告としました。残りの2人は訓告・訓告相当としました。谷脇、吉田両審議官は10分の2の減給3カ月。20日付で事実上更迭された秋本芳徳・前情報流通行政局長は10分の1の減給3カ月で、残る4人は10分の1の減給1カ月。
衛星放送の許認可権限を持つ同省幹部らを、正剛氏らは38回にわたって接待。利害関係者から接待を受けることを禁じる倫理規程への違反が問われるとともに、東北新社側の接待で行政がゆがめられた疑いが指摘されています。また、同省幹部は同社グループ以外の他社とは会食していないと認めており、正剛氏の存在が特別扱いにつながった可能性も浮上していました。
武田良太総務相が同日、国家公務員倫理審査会に提出した報告書は、東北新社と衛星放送を手がける子会社が利害関係者に該当すると認定。一方、同社側とだけ38回も会食を繰り返しながら、正剛氏の存在が影響を及ぼした事実は「確認できなかった」としています。
行政がゆがめられた疑いについては、副大臣を長とする検証委員会を立ち上げ、検証を行うとしています。
理事会後に野党理事が会見し、「行政をゆがめていたか、しっかり調査せずに出して、非常に甘い調査で早期幕引きを図ろうとしているのではないか」(立憲民主党の辻元清美衆院議員)と批判しました。