2021年2月20日(土)
機械的審査で生業危機
持続化給付金 笠井氏「一人も残すな」
衆院予算委
「機械的、画一的な線引きで、さまざまな生業(なりわい)が日本からなくなっていいのか」―。19日の衆院予算委員会で、新型コロナ対策の持続化給付金の審査で求められる追加書類の問題点を追及した日本共産党の笠井亮議員。経済産業相が指定する「伝統的工芸品」の職人をはじめ、数多くの中小事業者が申請からはね付けられている実態を突きつけました。
持続化給付金の申請をめぐっては、事業実態を示す口座取引記録(通帳コピー)の提出を請求される事例が相次いでいます。
笠井氏は、建設業の一人親方やピアノ教室、学習塾、運転代行、接客、飲食、鍼灸(しんきゅう)マッサージ、ネイルサロンなど、現金取引だけの事業者が数多くいるとして、「口座取引記録を求められても出しようがなく、申請がはねられている。超えられない『基準』ではないか」と追及しました。
口座取引がないため申請がはね付けられた例として、琉球王国時代以来、数百年の積み重ねで生み出された沖縄県の伝統的工芸品・首里織の染織職人の例を紹介。材料の絹糸や染料は高額なうえ、保存・管理が難しく高度な技術が必要で、廃業すれば後継者がいなくなるとして、「伝統的工芸品が引き継げなくなってもいいのか」とただしました。
梶山弘志経産相は「伝統的工芸品に取り組んでいるというだけで、(申請の)公平性や透明性は保てない」と冷たく言い放ちました。
「公平、公平と言って、実際には不公平になっている」と厳しく批判した笠井氏。伝統的工芸品に指定した大臣の責任において、事業実態を一件一件調べるよう迫りましたが、経産相は調査を明言しませんでした。
笠井氏は、「伝統を継承するため必死に頑張っている職人を励ますどころか、不給付で突き落としていいのか。ここまで明瞭な事業実態があっても給付されない。多様な中小事業者をすべて支援してこそ政治だ。こんな線引きは抜本的に見直し、給付金が必要な事業者を一人も取り残さず届けきるべきだ」と強く求めました。