2021年2月20日(土)
接待 事業の話題あった
総務省局長 「記憶ない」から一転
野党が徹底追及
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男(元総務相秘書官)が総務省幹部4人を接待していた問題について、同省の秋本芳徳情報流通行政局長は19日の衆院予算・総務両委員会で、首相長男らとの会食中に衛星放送に関する事業が話題となったことを認めました。日本共産党の笠井亮、本村伸子両議員は両委員会で、首相長男ら東北新社の関係者4人と、接待を受けていた同省幹部4人の招致を求めました。
同省の原邦彰官房長は両委員会の冒頭、「文春オンライン」が公開した会食中の音声について、首相長男や東北新社子会社の社長に聴取した内容を説明。「二人とも『自分だと思う』とのことだった」と述べました。
これを受けた審議で秋本局長は、首相長男らの発言の音声について「記憶にない」としていた主張を一転させ、「3人の場での会話に参加していた」と答弁。「BS、CS、スターチャンネルに関する発言はあったものと今は受けとめている」と認めました。また、国家公務員倫理規程で接待を受けることが禁じられている利害関係者に、首相長男らがあたるかどうかを問われ、「利害関係者と認識している」と述べました。
湯本博信官房審議官も、「(会食中に東北新社の事業が話題に上ったことは)一切なかったと記憶している」と述べていましたが、「衛星放送一般、放送一般ということになると確たる記憶はない」と答弁を変えました。
一方、総務省による関係者の調査について、原官房長は「調査の項目にもう少し具体性が必要だった」と不十分だったことを認め、再聴取を行い、22日に国会に報告する考えを表明しました。
武田良太総務相は19日、秋本局長と湯本審議官を20日付で官房付に異動させる人事を発表。事実上の「更迭」とみられます。
野党は、「(接待で)行政がゆがめられたことは全くない」(武田総務相)との答弁の前提が崩れたとして、徹底解明を求めました。