2021年2月18日(木)
論戦ハイライト
沖縄戦への歴史的責任 忘れてはならない
「危険な普天間」つくったのは日米政府
衆院予算委 赤嶺氏が迫る
17日の衆院予算委員会で、米軍辺野古新基地の埋め立て土砂をめぐり、沖縄戦の戦没者の遺骨が今も眠る沖縄本島南部からの調達は許されないと追及した日本共産党の赤嶺政賢議員。沖縄戦の犠牲者が南部に集中した歴史的経緯を語り、新基地建設の中止を迫りました。
埋もれた骨の色
岸信夫防衛相は、「採石業者は、開発前に遺骨がないかを目視で調査している」などと答弁。赤嶺氏は、遺骨収集の実像を示しました。
赤嶺 土に埋もれた骨がどういう色をしているか知っているか。
菅義偉首相 承知していない。
赤嶺 白いと思われるかもしれないが、土と同じ色をしている。手にして重さを比べないと、サンゴのかけらと区別がつかない。
赤嶺氏は、「子どもの指の骨はボールペンほどの細さしかなく、自分たちでも見つけるのは難しい」という、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表の話を紹介。「採石業者は重機で掘り進めるのだから、多くは遺骨に気づかず、丸ごと採取することになる」と批判しました。
さらに、沖縄戦で住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦となったのは、本土決戦を遅らせようとした「捨て石作戦」のためで、「住民の犠牲者9・4万人の半数以上が南部で亡くなった」と指摘。当時の日本軍が住民の避難していた南部に撤退しつつ持久戦を選んだことで、狭い地域に住民と兵士が混在し、住民は壕(ごう)を追われ、食料を奪われ、口封じのために赤ちゃんに手をかけるよう強要されたと語り、「南部は、ありったけの地獄を集めたような戦場になった。そうした事態をつくりだした歴史的責任を忘れてはならない」と迫りました。
国際法に反する
赤嶺氏は、沖縄での米軍基地の形成の歴史も強調。「米軍は、沖縄戦で上陸して住民を収容所に入れている間に土地を一方的に奪って基地を構築した。占領下でも私有財産の没収や略奪はハーグ陸戦法規で禁止されている」と述べました。
赤嶺 沖縄の基地の形成過程をどう認識しているのか。
首相 普天間飛行場は戦時中に米軍が土地を接収して建設されたと承知している。
米軍が土地を接収した事実は認めたものの、「いずれにしても世界一危険といわれる普天間飛行場の固定化は避けないといけない」と続け、辺野古新基地建設に固執した菅首相。赤嶺氏は、「街の真ん中に普天間基地をつくったのは米軍で、容認しているのが日本政府だ。『世界一危険な基地』は日米両政府がつくっている」と批判し、「国際法に反して強制的につくった基地は無条件撤去が当然だ」と力を込めました。