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2021年2月13日(土)

国際法に違反した中国海警法施行に抗議し、撤回を求める

志位和夫委員長の談話

 日本共産党の志位和夫委員長は12日、次の談話を発表しました。


 一、中国政府は今月1日、海警局が活動する領域を一方的に拡大し、武器使用を含む権限を強化する海警法を施行した。6、7日には、海警局の船が尖閣諸島周辺の領海に侵入し、日本漁船に接近する看過できない事態がおきている。

 中国政府による海警法施行は、沿岸各国に認められる権限を厳密に規定し、海をめぐる紛争の平和解決を定めた国連海洋法条約をはじめとする国際法に違反し、力による現状変更の動きを強める中国の覇権主義的行動をエスカレートさせるものである。日本共産党は、強く抗議し、撤回を求める。

 一、国連海洋法条約は、沿岸国の主権の及ぶ範囲を領海に限定するとともに、領海に隣接する接続水域、排他的経済水域、大陸棚など海域ごとに沿岸国に認められる権限を限定的に規定して、沿岸国の権利に配慮しながら、国際社会の「航行の自由」を広く認めるものとなっている。

 ところが中国海警法は、こうした海洋法秩序にはいっさい言及せずに、中国周辺のきわめて広い海域を一括して「わが国の管轄海域」と規定して、その全域であたかも領海かそれに準ずるような幅広い権利の行使を中国に認めるものとなっている。

 さらに中国海警法は、「わが国の管轄海域」において、臨検、「建築物、構造物」の強制撤去、「武器使用を含むあらゆる必要な措置」の行使など、強制措置をとる幅広い権限を定めている。

 中国海警法は、領海において沿岸国が強制措置をとることを限定的に認めている国連海洋法条約の原則を大きく逸脱するものであり、「わが国の管轄海域」の無限定性と相まって、国連海洋法条約の原則と条文をあからさまに無視した、国際法違反のきわめて危険な法律といわねばならない。

 一、中国が尖閣諸島を含む海域を自国領と主張しているもとで、海警法の施行はわが国にとってもきわめて重大な問題である。

 にもかかわらず、日本政府は、「深刻な懸念」「同法が国際法に違反する形で運用されることはあってはならない」と表明するにとどまり、海警法自体が国際法違反であるという批判を行っていない。

 日本政府は、海警法自体が国際法違反であることを厳しく批判し、その撤回を求める外交的対応を行うべきである。


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