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2021年2月10日(水)

代替イージス“ロッキード社製採用せよ”

米ミサイル庁長官 極秘来日

穀田氏暴露 防衛相 接触認める

本紙取材基に

写真

(写真)質問する穀田恵二議員=9日、衆院予算委

 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策である「イージス・システム搭載艦」に搭載予定のレーダーに関し、米国防総省傘下のミサイル防衛庁が、米軍需企業最大手のロッキード・マーチン社製レーダーを採用するよう防衛省に圧力をかけていたことが明らかになりました。(論戦ハイライト)

 日本共産党の穀田恵二議員が9日の衆院予算委員会で、本紙取材で得た証言を暴露。岸信夫防衛相はロッキード社製レーダーの選定を決定する1週間前の2018年7月23日に、グリーブス米ミサイル防衛庁長官が来日し、防衛省と接触していたことを認めました。

 防衛省は18年2月にレーダー選定の手続きを開始し、6月に米ミサイル防衛庁とロッキード社から「SPY7」、ミサイル防衛庁から「SPY6」(米軍需企業レイセオン製)の提案を受領。7月30日に「SPY7」が選定されましたが、SPY7は試作品さえできておらず、なぜ選定されたのか、当時から疑問視されていました。

 穀田氏は、本紙の取材で防衛省元幹部が「レーダー選定の直前に、ミサイル防衛庁長官が来日して防衛省を訪れ、ロッキード社を選ぶよう圧力をかけた。当時の防衛副大臣も認めている」と証言したことをぶつけ、追及。岸防衛相は「(18年)7月23日にグリーブス米ミサイル防衛庁長官が来日し、西田安範整備計画局長(当時)らと面会したのは事実だ」と認めました。一方、SPY7を採用するよう圧力をかけた「事実はない」と否定しました。

 さらに、穀田氏は「イージス・アショア」の構成品選定に関わった防衛省職員と「業界関係者等」との接触記録を記した「接触報告一覧表」を示し、選定手続きが始まった18年2月から7月末までの接触回数を質問。岸防衛相は「総数529回の接触を確認している」と答弁しました。

 穀田氏は「500を上回るのは驚くべき数字だ」と指摘。同資料は接触した相手の会社名や氏名、接触理由などが黒塗りで隠されているものの、レーダー提案者はミサイル防衛庁とロッキード社のみだと指摘しました。

 穀田氏は、元防衛省幹部がSPY7の不透明な選定過程から「第2のロッキード事件になりかねない」と警告していると指摘。接触記録など一切の資料の国会提出を要求。「イージス・システム搭載艦」の計画中止を強く求めました。


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