2021年2月4日(木)
独介護職 最賃増額へ
人材確保で労使合意
8月から4段階
【ベルリン=桑野白馬】ドイツの統一サービス産業労組(ベルディ)は1日、国内の高齢者介護労働者の最低賃金を今年8月から2023年にかけて段階的に引き上げることでドイツ連邦介護産業雇用者協会(BVAP)と合意したと発表しました。ベルディは正職員の介護士の月給に換算すると約25%増額となるとして「良い知らせだ」と表明しました。
合意によると、引き上げは4回に分けて段階的に行います。介護士の時給は今年8月から最低16・1ユーロ(約2030円)、23年6月からは18・75ユーロ(約2360円)となります。介護を補助する助手と、少なくとも1年の研修を受けた介護助手の賃金も段階的に引き上げます。
ベルディによると、週39時間の労働をした場合、介護士の月給は少なくとも3180ユーロ(約40万3300円)となります。シルビア・ビューラー執行委員は、新型コロナウイルスの感染拡大で人材不足が露呈したとして「介護士は緊急に、切実に求められている。良好な労働条件で獲得、維持するしかない」と強調しました。
合意では、介護士は将来的に年間28日以上の休暇と追加の休暇手当を受け取る権利を得ることになっています。ベルディとBVAPはまた政府に対し、賃金引き上げの財源を適切に確保し、介護利用者や親族の個人負担で賄うことがないよう働きかけるとしています。
BVAPのゲロ・ケトラー広報担当は「財源を確保するには政治の出番だ。介護を必要とする人やその親族への財政負担はできるだけ速やかに制限される必要がある」と述べました。