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2021年1月28日(木)

検査結果隠ぺいが起き感染拡大の懸念

良質で適切な医療を提供する対策こそ

コロナ罰則規定に医療関係団体など 反対の声相次ぐ

 政府は今国会で、新型コロナウイルス対応の特措法、感染症法等を改定し、罰則規定を盛り込むことをねらっています。罰則の導入で感染者や店舗事業者などへの偏見、差別が助長されるおそれや感染抑止が困難になるなどとして、多くの医療関係の学会・団体や市民団体が、27日までに反対声明を発表しています。


 新型コロナ感染症の最前線で奮闘する日本公衆衛生看護学会は26日付の声明で、結核やハンセン病など過去の感染症対策の反省と、感染症法の制定に至った歴史的経緯を踏まえつつ、「罰則規定によって強制的措置を行うことは、倫理的に重大な問題をはらんでいる」と指摘。信頼関係や人権尊重、感染拡大を適切に予防する観点から「感染者への相談支援、療養支援体制の強化がなされるべきだ」と訴えています。

 全国保健師教育機関協議会と日本保健師活動研究会は26日に連名で声明を公表。罰則規定で検査の拒否や、自主検査での結果を隠すなどの行動が引き起こされる懸念を表明。感染状況が把握できず、感染拡大を招きうると批判します。

 日本看護系学会協議会は罰則の導入で「検査結果を隠蔽(いんぺい)するという事態が懸念される」と述べたうえで、国と地方公共団体に対し、患者に対する良質で適切な医療を提供するよう対策強化を要請しています(25日付声明)。

 日本医学会連合は、14日、検査結果の隠蔽が、結果的に感染の抑止を難しくさせてしまうとの懸念を声明で表明。日本弁護士連合会は22日、会長声明で、基本的人権の擁護が欠けているとして「抜本的な見直しがなされない限り、強く反対する」と表明しています。


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