2021年1月24日(日)
核兵器禁止条約 自国の参加求め行動
米国
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【ワシントン=池田晋】核兵器禁止条約が発効した22日、米国の首都ワシントンの「ブラック・ライブズ・マター広場」で祝福デモが行われ、反核・平和を長年訴えてきた活動家が「歴史的な日だ」と喜び合いました。
1987年から国防総省の前で毎週、反戦平和行動を続けてきた「ドロシー・デイ・カトリック・ワーカー」のアート・ラフィンさん(66)は、この日も同省前で行動。同広場でも、仲間らと「核兵器は違法だ」と書かれた横断幕を広げました。
「広島・長崎以来、国益のための核使用と威嚇が米国の政策。この条約のおかげで、核使用に対する国際的な圧力も、軍内部の抵抗も間違いなく増す」とラフィンさんは話しました。
81年以来、ホワイトハウスの前で毎日座り込みを続けて反核平和と人種正義を訴えてきた黒人活動家のフィリポス・メラクベッロさん(59)は、「これは大衆の勝利。50年代から反核運動をしていた私の父もこの条約を求めていた」と感慨深げ。「でもこれで終わりではない。われら国民がこれから米国に圧力を加えなければいけない。肌の色は違っても世界には人間という一つの人種しかなく、誰に対しても使ってはならない兵器だ」
ドイツ
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【ベルリン=桑野白馬】核兵器禁止条約が22日に発効したことを受け、ドイツの首都ベルリンにある連邦首相府前で同日、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)や核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)などの国際反核団体が同国政府に対し、禁止条約の署名と批准を求めて行動しました。
参加者は、条約に批准した51カ国の国旗を模したプラカードを掲げ「核兵器は禁止された」と唱和しました。条約に署名も批准もしていないドイツの国旗を椅子の横に置き、同国政府が条約をめぐる交渉に「欠席」していた状況を演出。「ドイツ政府は条約に参加すべきだ」と訴えました。
参加したフランカ・ブリューゲンさん(25)は、ドイツ政府が核のない世界を「長期的な目標」としていることに言及。「核兵器禁止条約は現状、目標達成を実現できる唯一の条約だ。市民の声に耳を傾け参加すべきだ」と強調しました。
核兵器を非人道的で違法とした禁止条約が発効することで「国際法がわたしたちの味方になった今、『なぜ条約への参加を拒むのか?』と政府に問いかけ、圧力をかけていきたい」と語りました。