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2021年1月20日(水)

飲食店時短営業で大打撃

納入業者にも補償を

「一時金」では焼け石に水

 新型コロナによる再度の緊急事態宣言で、時短営業を要請された飲食店などにさらなる打撃が広がっています。とりわけ食材や資材などを納入する業者には、ほとんど補償がなく「これでは廃業するしかない。国は十分な補償をせよ」との声が渦巻いています。(青柳克郎)


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(写真)業務用の氷を運ぶ黒岩さん=東京都台東区

 「『宣言』を受け、得意先の居酒屋は期間中、休業になった。業務用食肉の需要は激減で、納入ゼロの日もある。高級和牛など全く注文がなく、『宣言』以降の売り上げは昨年同時期の半分だ」

 父の代から50年続く精肉卸売店を家族で営む篠原哲哉さん(58)=東京都大田区=が肩を落とします。

体力は限界に

 昨年夏に受給した持続化給付金は消費税など税金の支払いで消えました。忘・新年会シーズンも売り上げは回復せず、配達用のオートバイを使った副業を考えています。

 「国は飲食店に時短営業を求めるのなら、納入業者まで含めて支援してほしい。減収が1年近く続き、中小業者の体力は限界に近づいている。減収分に見合った補償や、再度の持続化給付金を考えるべきだ」

 首都圏や関西の11都府県などでは、飲食店は2月7日まで、夜8時(酒類提供は7時)までの時短営業を求められ、1日6万円の協力金が給付されます。

 納入業者などにも「一時金」が給付されますが、対象は1、2月の売り上げが昨年比5割以上減の業者のみで、金額も最大40万円にとどまります。

97年続く卸売

 「最大40万円では、すずめの涙。焼け石に水にもならない」と憤るのは、東京都台東区で97年続く氷卸売店の3代目、黒岩誠治さん(61)=浅草民主商工会会長=です。

 「宣言」を受け、納入先の飲食店のうち2割近くが休業しています。営業を続ける店からも注文は半減し、「宣言」以降の売り上げは昨年比7割減。水光熱費や車の維持費など月70万円近い固定費は変わらず、政策金融公庫コロナ特別融資で営業を守っています。

 浅草民商には、コロナ第3波を受け「仕事が、とうとうゼロになった」(製靴業)、「店を開けても閉めても売り上げは同じ。廃業まで考えている」(サービス業)といった相談が相次いでいます。

 全国商工団体連合会は14日、菅首相に対し、「宣言」に伴う補償の拡充を求める要請書を送付。第3次補正予算を組み替え、すべての事業者を対象に、減収に見合う補償を国の責任で行うよう訴えています。

 黒岩さんが力を込めます。「申請期限が延長した持続化給付金など、あらゆる制度を活用して中小業者の営業を守りたい。同時に、事業を存続できるだけの補償や直接支援を求め、地域からも声をあげたい」


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