2021年1月11日(月)
成人式中止
キャンセルに業者悲痛 “政府対応、遅すぎる”
新型コロナウイルス感染拡大にともない1都3県に出た緊急事態宣言で各地の成人式が中止になる中、貸衣装や着付け、写真業者ではキャンセルが相次ぎ対応に苦心しています。キャンセル料をとれない業者も。政府の対応が「遅い」と悲鳴が上がっています。
東京都江東区の女性美容師は「式が中止でキャンセルが8組。例年はキャンセルなんてありません。緊急事態宣言が『遅すぎる』の一言に尽きる」と怒ります。同三鷹市の女性美容師は「予約が少し減った。キャンセル料は取らない。着付けとヘアセットで2万円ぐらい。ちょっと痛いな」と嘆きます。
SNSでは「さいたま市、成人式をオンライン開催に変更。美容室予約のキャンセルなどは補償なし」。「直前に中止なんて胸が痛い。うちはキャンセル料金いただきません」(千葉県の女性)などの投稿も。
横浜市の老舗呉服店では、神奈川県横須賀市や大和市での式典の延期を受け、式典までの期間、衣装の保管、着付けやメークを契約時のまま無料で延長します。式当日の支度をキャンセルする人や前撮り写真だけのプランに変更する人が10組出ているといいます。
振り袖レンタル・メーク・着付けなどのサービスを展開する写真スタジオ(横浜市)は、成人式中止にともないキャンセルする場合、キャンセル料金は取らず返金対応を実施します。前撮り撮影だけのプランに変更した場合、差額を返金しています。
1917年創業の着物専門店(渋谷区)は、式が延長の場合は延長料金をもらわず、中止のときは返金に応じます。同社は成人の日プロジェクト、プロの写真家による撮影会「彼らのハタチは中止できない。」を実施します。担当者は「式が中止になってキャンセルするよりも、当日、『振り袖を着たい』という多くの人のお役に立ちたい」と話します。