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2021年1月11日(月)

米原潜の寄港半減 82年以降最少

密閉・高い感染リスク 運用制限か

表

 米海軍原子力潜水艦の日本への寄港が2020年の1年間で19回、のべ52日に上り、前年比で寄港回数・滞在日数ともに約半分に減少したことが、寄港地を抱える自治体の集計でわかりました。寄港回数は1982年以降で最少となりました。

 最も減少したのは長崎県の米海軍佐世保基地で、前年比11回減の2回でした。沖縄県うるま市の米海軍基地ホワイトビーチは4回(同6減)、神奈川県の米海軍横須賀基地は13回(同3減)と続きました。

 寄港地別の滞在日数をみると、横須賀基地は38日(同31減)、佐世保基地は10日(同24減)、ホワイトビーチは4日(同6減)でした。横須賀基地と佐世保基地での減少が目立ちました。

 背景に、米軍基地内での新型コロナウイルス感染症の拡大があるとみられます。横須賀基地では昨年7月21日以降で累計382人の陽性者が確認されています(8日時点)。佐世保基地では計36人(4日時点)、ホワイトビーチでは計2人(8日時点)が確認されました。

 潜水艦は密閉性が高いうえ、多数の船員が長期間にわたって共同生活を送るため、集団感染のリスクが高いと指摘されています。感染拡大を避けるために、潜水艦の運用を制限したとみられます。

 横須賀基地では乗組員の休養や物資の補給、機器のメンテナンスを行うため、数日~10日間程度滞在していました。しかし、20年は1~2日間の短期間の寄港が多く、5日以上停泊したのは4回(前年8回)にとどまりました。感染者が多い横須賀基地から潜水艦へ感染が拡大することを懸念し、短期間の寄港にとどめたとみられます。

 米潜水艦でのコロナ感染は報告されていませんが、横須賀基地を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員から感染が確認。米原子力空母セオドア・ルーズベルトでは500人超の感染者が確認され、戦線離脱を余儀なくされました。

グラフ

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