2020年12月24日(木)
民青などの食料支援広がる 41都道府県157カ所
学生「年末に帰れない」
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日本民主青年同盟(民青)などが学生と一緒に行っている、コロナ禍で困窮する学生への食料支援が年末に向けて広がっています。新型コロナ感染拡大などで地元に帰省できない学生などを支援しようと取り組んでいます。22日時点で全国41都道府県157カ所で504回実施され、延べ21000人以上が利用しています。
22日に都内の大学で行われた支援では、帰国できない留学生らも含めて、途切れることなく訪れ、米やレトルト食品、生鮮食品などを受け取っていきました。
大学1年生は「週6日から7日はバイトしています。奨学金も月に10万円ほど借りていますが、生活も苦しいので年末は地元に帰らずにバイトをします」と話しました。
年末は帰国できないという中国人留学生は「友達や同級生にも会えない生活が続いている」といいます。
帰省できない学生は少なくありません。東京都の大学2年生は広島県に住む親から、コロナ対策で帰省するのは遠慮してほしいと言われ、正月も自宅で過ごす予定です。「奨学金を借りてなんとか生活しています。帰りたいけど帰れないし、いつ帰れるのか分からないから精神的にも負担が大きいです」と話します。
福井県の大学2年生は、県外に出ると2週間自宅待機をしなければならず、大学の研究もあるため帰省はしないといいます。
鳥取県の大学2年生からは、「バイトはシフトに入れずに辞めて、今は給付制奨学金で家賃と食費をまかなっています」と切実な声が寄せられました。
「食生活面で大きな不安を抱えていましたが、何とか頑張ろうという元気が湧いてきました」(長野県)、「イベントスタッフなどのバイトが減った。フードバンクは本当に助かります」(北海道)などの声が寄せられています。
民青神奈川県委員長の中村和行さんは、12月をすぎても食料支援を利用する学生は多いと指摘。「年末になれば自宅にいる時間は増え、光熱費など学生にはさらに負担になる。年末でバイトが休みになるなど困窮する学生が増えることが予想されるため、引き続き支援していきたい。行政にも積極的に支援を求めたい」と語ります。(菅原碧衣)