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2020年12月19日(土)

代替イージス艦 閣議決定

違憲の敵基地攻撃ミサイルも

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(写真)最新型イージス艦「まや」。新造イージス艦は同艦がベース

 政府は18日の閣議で、秋田・山口両県への配備を断念した陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策として、イージス艦2隻の新造を明記した文書を閣議決定しました。日米が共同開発している弾道ミサイル迎撃弾・SM3ブロック2Aに加え、巡航ミサイルなどにも対応する「SM6」を新たに搭載する方針です。

 違憲の「敵基地攻撃能力」保有は明記しませんでしたが、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」として、検討を続ける方針を示しました。一方、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾(SSM)の射程を大幅に延ばし、事実上の敵基地攻撃能力である「スタンド・オフ・ミサイル」として開発する方針も盛り込みました。

 文書は、安倍晋三前首相が辞任直前の9月11日、陸上イージス代替策や「敵基地攻撃能力」保有について、年内に「あるべき方策」を定めるよう求めた談話に基づくもの。陸上イージス破綻という大失策を逆手に取り、「ミサイル阻止」を口実に大軍拡と憲法破壊に突き進むものです。

 文書は、新たに導入する2隻の呼称を「イージス・システム搭載艦」と記載。海上自衛隊が運用を担うとしました。防衛省は最新鋭のSPY7レーダー搭載で艦体が大型化するのに伴い、建造費は2隻で約4800億円~5000億円になるとの見通しを説明していましたが、運用構想や付加する機能や設計などは「引き続き詳細な検討を行う」としており、金額や全長などは明記していません。

 スタンド・オフ・ミサイルについては、「自衛官の安全を確保しつつ、日本への侵攻を試みる艦艇を効果的に阻止するために必要」だと強調。地上や戦闘機、護衛艦といった「多様なプラットフォームからの運用を前提」にするとしました。政府はすでに、射程500~900キロに達する複数のスタンド・オフ・ミサイルの導入を決めています。


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