2020年12月12日(土)
新型コロナ「第3波」から医療・暮らし・事業を守る緊急要請
12月11日 日本共産党国会議員団
日本共産党の志位和夫委員長が11日、西村康稔経済再生担当相に手渡した菅義偉首相あての「新型コロナ『第3波』から医療・暮らし・事業を守る緊急要請」の全文は次の通りです。
新型コロナウイルス感染症の「第3波」により、「医療崩壊」の危機が現実のものとなり始めている。また、感染拡大の影響は飲食・観光業をはじめ多くの事業者を直撃しており、「このままでは年を越せない」との悲鳴があがっている。廃業・倒産・雇い止め等による生活困窮への対策も一刻の猶予なく求められている。
ところが、12月8日に閣議決定された政府の経済対策は、医療や暮らし・事業の緊急事態への対応は皆無に等しく、持続化給付金など事業者への直接支援は終了、雇用調整助成金特例措置は2月末までで縮小の方向まで示された。また医療体制への直接支援となる「医療機関への減収補てん」もいまだに拒み続けている。その一方で、感染症対策に逆行する「Go To 事業」は6月まで延長、「ポストコロナ」に向けた基金創設や「国土強靱(きょうじん)化」の名による公共事業などに巨額の予算を積もうとしている。
緊急に求められているのは、「第3波」の危機から、国民の命と暮らしを守ることである。ただちに予備費7兆円も活用し、以下の政策に取り組むことを要請する。
1.医療機関への減収補てんなど直接支援を直ちに行うこと
緊急包括支援交付金は医療機関に届いていない。減収補てんなど、医療従事者の処遇改善・体制強化への直接的な支援を決断するよう緊急に求める。
2.大規模なPCR検査のため地方負担分を直ちに国庫から交付すること
自治体が、医療機関・高齢者施設等への一斉・定期検査(社会的検査)、大規模・地域集中的検査を躊躇(ちゅうちょ)なく行うために、地方負担分については事後交付ではなく、直ちに国庫から一定額を都道府県に交付すること。
3.年末に事業をつぶさないために、資金繰り、雇用維持、事業継続への支援に全力をつくすこと
持続化給付金、家賃支援給付金を届けきり、制度の継続・複数回の支給、雇用調整助成金特例措置の継続及び対象企業の拡大の方針を直ちに示すこと。
政策金融公庫等での「貸し渋り」「担保を求める」「春の融資の返済を求める」などが多発している。ただちに対応をあらため、事業継続のための支援を行うよう厳しく指導すること。
4.年末年始の生活困窮への相談・対応体制をつくること
住居確保給付金の拡充、生活保護および生活福祉資金の特例措置の積極的な活用をよびかけること。失業者などが住居を失うことのないよう必要な対応を行うこと。
解雇・雇い止めの相談窓口、ハローワークでの失業給付の対応に万全を期すこと。
休業支援金の対象拡大と要件緩和を行うこと。
5.「Go To 事業」を中止し、観光・飲食業等への直接支援策に転換すること
政府分科会からも厳しい意見が出されており、全国一律の事業継続は感染抑制に逆行することは明らかである。ただちに現行事業の中止を決断し、地域別・産業別の規模の大きい給付制度に抜本的に転換すること。