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2020年12月11日(金)

「核廃絶に動く時」

米次期政権に提言 ペリー元国防長官

“絶滅警告 誇張でない”

科学誌に論文

写真

(写真)ペリー元米国防長官=2018年1月(池田晋撮影)

 【ワシントン=池田晋】ペリー元米国防長官は米科学誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』の最新号に寄せた論文で、「核兵器廃絶に向けて動きはじめる時だと強く信じるに至った」と述べ、来年1月に発足するバイデン次期政権に対し、多くの課題に直面する中でも文明存続を脅かす核問題に関心を向けるよう提言しています。

 バイデン氏は選挙戦時に、「核なき世界」を「究極目標」と位置付ける考えは示しているものの、具体的な構想はまだ示していません。

 「米国防長官がなぜ核廃絶支持に至ったか」と題された論文でペリー氏は、キューバのミサイル危機(1962年)や、77年の米警戒システムの誤作動による核戦争の瀬戸際を自ら体験し、「米国の抑止政策は、文明終えんを招く核戦争を防ぐには不十分」との教訓を得たと指摘しています。

 また、「核なき世界」を構想したオバマ前政権が、米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の承認を議会共和党から得る引き換えに、30年以上に及ぶ核の最新鋭化計画を受け入れたことを「高すぎる代償だった」と批判。その時点で構想の追求が止まってしまったと回想しています。

 一方、「大規模な核戦争が恐竜絶滅と匹敵する絶滅イベントにつながりえるとの警告は誇張ではない」とし、核廃絶の「重大性はあまりに大きく、諦めることはできない」と強調。核廃絶実現までの期間には、ミスによる核戦争の危険を低減させる措置も取るべきだと同時に提案しています。


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